出品者:高柳麻美子 mamiko takayanagi(’03 院油画)
日程:2016年10月 11日(火)~ 10月29日(土)
時間:11:00~19:00(最終日17:00 迄) 日・祝休廊
場所:Hideharu Fukasaku Gallery Roppongi
………東京都港区六本木7-8-9 深作眼科ビル1F・B1
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高柳氏は、多摩美術大学大学院、ドイツミュンヘン国立芸術アカデミーへの留学などを経て、
目も覚めるような鮮やかな色彩の絵画を発表するアーティストです。
色と色が勢いよくぶつかり合い変形し、そしてその瞬間に時が止まったかのような画面。
様々に組み合わされる色は、高柳氏にとっての経験やその瞬間の思い、
そのものであることが伝わってきます。
また、近年の作品には、削ることにより生みだされる独特のマチエールが見られ、
体内を覗いた映像のようにも見受けられます。
日本のみならず、ドイツ、スペインなどの海外でも活躍する、魅力溢れる作家です。
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本展について、高柳氏は次のように語っています。
「作品テーマは「繋いだ風景」である。地元京都から東京、そしてドイツ留学を含め
レジデンスプログラムなど、様々な国や町で制作活動を行ってきた。
そして私はその町の中にある一瞬一瞬変わりゆく風景の中で生きてきた人達や文化に触れ、
そこから感じた自分の感情を色や形で表現してきた。
日本から離れて私はどこへ行くのか、私が居る場所はどこなのか、
不安や孤独の中にある今居る幸せを移り変わる季節に変えて色や形で表現し続けてきた。
個展のタイトルにも使用した「幸せな孤独」の中、異国で制作をしていた。
2014年に京都を再び拠点として活動を再開して以来、慣れ親しんだ国に戻り、
「幸せな孤独」を感じながら海外で制作をしてきたのとは逆に言葉や文化も分かり合える
「群衆」の中に戻ったのだが、それが私にとって「居る場所」なのか。
「群衆の中での孤独」で日々制作している時に、見たまま感じたまま色をのせるスタイルから
過去にいた場所を思い出す過程として削るという作業を組み立てた。
削るだけではなく、そこからまた色を付け加えることにより、
キャンバス上での過去と現在の空間の融合、つまり私が居る、ワタシが居た場所を
「削る」という行為により過去への接点を創り出し、そして削ったところをまた色や形を加えることで
現時点からその過去に居た場所への空間を繋げて行くのである。
「社会の中に存在する自分」を考え、自分について対峙し、作品について対話する。
私はどこに居ても、どのような環境であっても制作は続けていく。
今居る場所が私にとってのHOMEであり、また次のHOMEを探して過去と現在、
そして未来を1つのキャンバスに繋げていくために色を重ねていくのだ。
この個展のタイトルにあるように“everglow”、永遠に輝く。
ワタシがそこに居て感じた風景、そして今居る私。
その中で感じた色はこれからも永遠に輝いていく。」
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国や場所と、自身にとっての居場所とは何かという考察が生み出した
色彩豊かな作品をお楽しみいただける展覧会となっております。