第5回 多摩美愛知の会展
1993年7月22日、名古屋市内にあるホテルキャッスルプラザに於いて、多摩美術大学理事長の藤谷宣人氏をはじめ、たくさんの先生方を来賓としてお招きし、「多摩美愛知の会」の盛大な発会式を執り行いました。
しかし、その後は諸般の事情により、会としての具体的な展開が見られないまま、約13年という空白の長い歳月が流れてしまいました。そして2006年7月、ようやく現役員が中心となって、小作品をベースとした展覧会「多摩美愛知の会展」を、卒業生が運営する名古屋の画廊で開催するに至りました。
この展覧会は毎年およそ500名の愛知支部会員の中から有志を募り、毎回30名前後の出品者で開催されています。会期中は愛知支部会員をはじめ、たくさんの来場者で賑わいをみせますが、この画廊には愛知支部事務局が置かれているため、会期外でも卒業生が気軽に集える交流の場ともなっています。機会がございましたら、是非お立ち寄りください。
なお、愛知支部では現在、大作展の開催に向けた課題に取り組んでいるところです。
創造性や創作性を豊かにする要素は、幼児期から青年期に至るまでの間に、如何に養われるかに係っています。それゆえ、この時期における何事にも束縛されない芸術行為や美術教育が如何に大切であるかということは、論をまちません。かつて学校の美術の授業が大幅に削減されるといった過った提示が為された時期がありましたが、これは大変な暴挙であったと言わざるを得ません。「絵画・美術・芸術は発想力を養う大切な作業の時間であると共に、この時期における大切な人間形成の時間でもある」とは私の考えですが、青年期を過ぎてしまえばもうそれで終わりと言うわけではありません。社会に出た後は是非とも各地域の校友会に顔を出し、議論を交わし、同僚の作品に触れ、刺激を受けて欲しいと思います。そして校友会を触れ合いの場とするのみならず、文化を衰退させるような過った社会の動きには常に警鐘を鳴らせるよう、共に力を合わせ、地域文化の発展に貢献することができれば幸いです。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。〔支部長石田琴次〕