短期交換留学生報告レポート

テキスタイル専攻3年生の5名と大学院1年生の1名から、短期交換留学の報告レポートが届きました。


 

西嶋 望(3年)

アアルト大学、フィンランド

期間:2016年9月〜2017年3月

 

前回のレポートで紹介したTextile collection の講評が、12月20日に行われました。午前中に講評を行い、午後は一般に公開しました。とは言っても、日にち的に既に多くの学科が授業を終え、クリスマスシーズンに入っていたこともあり、人の入りはとても少なかったです。一般の方の来客は見た限り無かったと思います。のんびりと、来てくれた数人の人たちと話をしました。(皆知り合いでした。笑)

 

下が私のブースです。

西嶋レポート画像2

私は世界中で流行しているマッチングアプリを題材に、「Depth of flat(平面の奥行き)」というコレクションを発表しました。親指一本で簡単に膨大な数の人々と出会え、2次元のようでありながら平らな画面の奥にはメッセージを送信している人がいる2.5次元的な存在であること、またそれがその後3次元になった際に普段の何倍もの速度で関係が結ばれることが私のインスピレーションソースとなりました。こちらの学生は一つのテーマを様々な授業で共有するのが一般的で、私の場合もこれをスタート地点に、もっと掘り下げると良いとの言葉を頂きました。

 

制作した布の一部です。

西嶋レポート画像

この授業は10月の初めに始まり、約2ヶ月で様々な技法を用いてコレクションを完成させるという授業でした。織り、編み、プリント、染め…私にとって初めての技法も多く、それを学べるだけでも価値のある時間だったなと思いますが、その中で強く印象に残っているのが「これにはいくつか方法があるんだけど、こちらの方が環境に良いからこちらを使う方が良い」など、先生が授業でする発言の随所に環境に対する配慮があったことです。正直、こちらで使用した材料や、それが与える影響を全て理解できたとは言えませんが、これらの言葉を聞いたことで、自分のやっていることが環境に良くない影響を与えているんだと再認識することができました。多くの大企業は環境問題に取り組んでいますが、小さな工房、また個人レベルで環境問題と向き合っていかなくてはいけないな、と思いました。

 

以前のレポートに記したコラボレーションについては、結局いくつかの事情で揺れ動いており、どうなるか分かりません。出来ると良いです!

 

私はこの後3月の帰国まで、ジャカードワークショップに参加します。以前まで特別興味があったわけでは無かったのですが、上記の授業に参加してから、ジャガードの特性に惹かれ、この後2Mほどの大きめのピースを作ろうと思っていますので、帰国後にまたお見せしたいと思います。

 

語学で正直大変苦労しましたが、言葉を使わなくても伝わる布の魅力を再認識し、行く前よりもテキスタイルが好きになりました。この期間、布が私に優しく寄り添ってくれて、助けてくれた感覚があります。今これを書いていると、あ、自分は相当心が弱ってたんだなと思いました。(笑)まあ、これもヒーリング効果があると身を以て体験できたということで。(笑)

 

最後になりますが、このような貴重な機会を頂けて、双方の関係者の方々、また両親に本当に感謝しております。主に語学、そして天気の関係もあり気持ちに波もありましたが、様々な方のサポート、そして布の無言の支えがあって(笑)、あと2ヶ月で留学生活を無事に終えることが出来そうです。フィンランドの方は本当に穏やかな方ばかりで、7ヶ月の留学を終えた頃、私も少し丸くなっているかと思います。この数ヶ月、この後歩む道にも影響を与えるであろう、有意義な時間を過ごすことが出来ました。帰国後もここで学んだことを忘れず、制作に励みたいと思います。

 


 

木津つかさ(3年)

グラスゴー美術学校、スコットランド

期間:2016年9月〜2016年12月

 

グラスゴー美術学校ではプリントを専攻し、3つのプロジェクトに取り組みました。

他には織り、編み、刺繍のコースがあります。

1つ目はSociety of Designer & Colorists projectと言って、SDCという団体のコンペの概要に沿った課題でした。

(コンペへの参加は義務付けられていません)

今年のテーマ、Circular Economy(循環型経済)に基づいた最終サンプルを5つ作るという内容で、期間は5週間でした。毎週チューターとの30分ほどのセッション、またはコースでのグループセッションが行われます。こちらの教授も生徒も発言に積極的で、いいところも改善すべきところもものすごい量を言ってくれます。また、インスピレーション源をとても大事に扱っており、写真やスケッチなどを大量に集めていて、毎回のセッションはとても刺激的なものでした。

私は卵パック(イギリスでは紙のパックが主流です)を材料に紙を漉き、その上にシルクスクリーンでプリントをしていきました。

IMG_3655s

2つ目の課題はDesign Domain2016というもので、大学全体のイベントの一部として課題が与えられました。初日は全学科合同のフォーラムが催され、5つの講演会に参加しました。最終日も全学科がスタジオを解放し、ポストイットで気に入った作品にメッセージを残すイベントがありました。テキスタイル&ファッションコースにはアクセサリーを作る課題が渡され、3週間でサンプルを3つ作るという条件でした。1つ目の課題もそうでしたが、最終的なクオリティはそこまで求められず、リサーチやサンプル製作段階、商品化のイメージが評価対象です。毎週セッションはありましたが、最終日の講評はありませんでした。私はシルクスクリーンを使ってスカーフを製作することにしましたが、いろんな生地に色合いを変えてサンプルを刷ることで3週間の期間を終えました。

IMG_4112-1s3つ目の課題は2017/3/20に行われるファッションショーに向けてのものでした。

ファッション&テキスタイルコースに在籍する全員が各3体のデザインをします。短期留学生は12/16に学期を終えるため、2週間のリサーチ期間のみで終了ということになりました。

 

週に1〜4回ほどプリントクラスのテクニックワークショップや、値段決めのワークショップ、CV作成のワークショップなどがありました。ですがどれも短時間で基本部分を教わるものばかりで、毎週必ず行われる授業というものはありませんでした。

自由に制作できる時間が多く取れたので、自主制作としてカラーバリエーションの研究を行いました。

IMG_4237sグラスゴーでは小さなサンプルも含めて50枚以上はプリントしました。

自分の今後の基礎となるであろう技術を向上させることができ、大変嬉しく感じています。

 


 

 

松橋 脩造(3年)

チェルシーカレッジオブアート、ロンドン

期間:2016年9月〜2016年2月

Colour Project 10月3日~11月21日

10月3日 Colour Project 課題説明

10月6日 Tutorial 1(グループ)

10月13日 Tutorial 2

10月17日 Colour workshop

10月20日 Tutorial 3

10月27日 Tutorial 4

11月3日 Tutorial 5

11月10日 Tutorial 6(グループ)

11月17日 Tutorial 7

11月21日 提出締め切り

11月23,24日 展示会

 このプロジェクトでは2年生全員が共通して同じ課題を与えられます。それぞれがKnit, Weave, Stitch,Print, Print Plus の5つの専攻から1つを選択してその技法を用いた作品を発表します。僕はWeaveを選択しました。

 チュートリアルと呼ばれる、週一回のチューター(もしくは稀に少人数グループ)とのミーティングを中心に進めました。基本的に全員が同じ技法(例えば、絣織や捩り織などの組織)を教わることはありません。それぞれがチューターとコンセプト、配色(特にColour Projectなので)等話し合いながら、それぞれが自分にあった方法、織組織で制作を進めます。チューターとは別にテクニシャンと呼ばれる技法の指導者が織のクラスには2人おり、織組織等の具体的な技術の相談はテクニシャンと行います。10月17日には自分のカラーパレットから選択した4色を使ってパターンを作るColour workshopも行われました。

カラーワークショップ

Colour workshopでの制作物

    僕はこのColour Project で、ロンドンのいたるところにあるレンガの建物のかすれた色やひび、そのテクスチャーに注目して、時間の経過によって起こる変化をテーマに制作を行いました。ChelseaではWood, Metal, Ceramic の3種類のワークショップを学科に関わらず利用できます。僕は完成作品(8インチ×8インチ9枚)の内2枚にCeramic を用いました。

レンガ

コラージュ完成作品

完成作品(8インチ×8インチ9枚、捩り織)

 また、このプロジェクトでは作品提出後に一般に向けた展示会が行われました。

展示会

展示会の様子

   最終的に提出した物は、

織完成作品(8インチ×8インチ9枚)、Workshopでの制作物、織のデザイン画と糸計画、カラーの決定過程やチュートリアル、デザイン過程をまとめたスケッチブック、ドローイング、レンガの写真のコラージュ。

提出物

提出物

カラーパレット

 提出物

  制作に進め方に大きな違いを感じました。リサーチ、サンプル制作に割くための期間が長くとられており、毎週作品について話し合い、異なるアドバイスを受けることで自分の作品がどんどん良くなっていくことを実感できました。それは、普段短い期間で多くの課題制作をしていた僕にとって新しいことでした。このどんどん良くしていく作業を短い時間でこなすことが必要だと理解しました。また、多摩美の方が技術的な知識は増やせると思いました。残念なことに、Chelsea では完成作品は提出のみで、多摩美で毎課題行われるような講評会がありません。人数が多いからでしょうか、完成した作品に関してはクラスメイトや先生とディスカッションすることができません。

Expanded Practice 10月14日~1月16日 毎週金曜日 2h

10月14日 Materials Innovation

10月21日 Mixing up materials and processes / Torster project

10月28日 Growing materials and products

11月4日 ブログ中間発表

11月11日 Combining old and new processes

11月18日 Trend forecasting

11月25日 ブログ中間発表

12月2日 1対1チュートリアル

   Expanded Practiceは他学科の生徒と合同で行われました。多摩美でいうオープン科目といったところでしょうか。8つの選択肢から希望の科目を選択します。ある決まった時間にインターネットで登録を行うのですが、それぞれ制限人数があるため先着順でした。僕はMaterials Innovationという科目を選択し、毎週金曜日2時間その授業を受けました。内容はシラバスにも記載があるのですが、近年のプロダクトやファッションに利用されている新しい素材や技術を学ぶことです。また、毎週その日の授業内容に沿ったブログを書く課題が出されます。(提出日は2017/1/16)

  上記のように毎週異なったトピックが取り上げられます。それぞれの所持品の素材について全員で考えたり、自然から着想を得たデザインを絵に描き提案したり、クラス全員で行うワークショップも多くあり、楽しみながら素材に触れ合ったり、技術を知ることができました。2週目にはトースタープロジェクトを行ったアーティストの方がゲストスピーカーとして来てくださり、話を聞く機会もありました。

ブログ(15日完成予定)

http://shuzomaterialsinnovation.tumblr.com

 


 

 

鶴見 朋世(3年)

ヘリット・リートフェルト・アカデミー大学、オランダ

期間:2016年8月〜2016年12月

 

TXT2

IP(Individual project) Teacher: Giene Steenman

この授業では、生徒が自分でコンセプトをたて、そこから先生と共に深く掘り下げて作品へと落とし込む授業です。1番はじめの授業ではFOCUS,SENSINGという言葉から、FOCUS:自分が焦点を当てたいこと、SENSING:周りでの出来事から言葉を自分で選びそこから自分の興味と実際に周りに存在する、起きていることを比較して掘り下げていきたいテーマを探っていきました。また、リサーチに重点を置いていて、リサーチとは何なのか、アートとデザインにおいてリサーチとはと言葉自体に疑問をもたせ、クラスで話し合いをしました。

言葉の持つ強さということにすごく重点をおいていて、先生との個人ミーティングのことなどでも自分が発言した言葉の意味を聞かれ、なぜその色なのか、なぜその技法なのかと一つ一つの要素とテーマを結んでいく授業でした。また、先生と生徒の距離も近く、先生側がその生徒のテーマや興味をみて次の授業に本を持ってきてくれます。授業毎に3冊持ってきてくれ、それを初めに生徒へ本の説明などを簡単にしてくれます。自分のテーマや興味などとは関係ない本でも、新しい発見があり、とても新鮮でした。授業名からわかるように個人プロジェクトなので、大体の授業は先生との個人ミーティング、11月に中間プレゼンをクラスでし、意見交換があり、12月の講評会へ取り組むという形でした。

(12月の講評の様子)

 

MC(Material culture) Teacher: Joke Robaard

この授業では課題図書があり、二人一組で取り組むスタイルでした。課題図書は哲学、経済、道徳など様々なジャンル計5冊でした。

  1. How to live together- Roland Barthes
  2. Reassembling the Social, Bruno Latour
  3. The Craftsman- Richard Sennett
  4. Indonesian Textiles, Richard Tuttle
  5. Marx’ Coat, Peter Stallybrass

の5冊です。私は5番目のMarx’s Coat を担当しました。この本の内容は資本主義における人の物との関係性について述べてある本でした。一見あまりテキスタイル、アートやデザインとは関係のない本でなぜこれを読んでいるのだろうと疑問に感じたこともあるのですが、人と物との関係性から人とデザイン、アートとの関係性が見え、とても考えさせられる授業でした。この授業の最終的な目標は一つ下の学年と他の先生たちにレクチャーをするというものでした。レクチャーをする、プレゼンをするというのはとても大変な課題でしたが、人に伝えるために色々な工夫をパートナーと考えたことで人に伝える難しさと大切さを学べた気がします。また、パートナーがいることで様々な捉え方が生まれ視野が広がったのではないかと思います。課題図書は基本的に授業外でよみ、パートナーとまとめ授業ではプリレクチャーとしてクラスにどんな内容であったかを伝え、共有し12月のレクチャーに備えるという流れでした。

(レクチャーの様子と各々作った冊子など(左))

 

MR(Material Research) Teacher: Joost Post

ツールに触れ、使い探ることで新しい作るという課題でした。初めは身も周りにあるツールを使い同様なことができるかを試し、どのような結果が生まれるかを試しました。そこからどのようなツールを作るかを探り最終的には自分のツールを制作、またそのツールを使い方やどのようなことに使えるかなどを生徒それぞれの方法で制作しました。作品を制作している人もいれば、ビデオのメディアを持ちいている生徒もいました。この授業ではツールを通してマテリアルを捉えることで、技術、機材の縛りから解放され、自分の作り出したい形、テクスチャーを出すことや素材の活かしためのツール、技術などを作り出すことができました。普段とは違う授業のアプローチの仕方で、枠にはめることが全てではなく、そこを越えて何が見えてくるのかを実験できたのではないのかと思います。この授業で素材、テクスチャーがいかにテキスタイルにおいて視覚的にも触覚的にも重要な要素であるか再認識できたのではないかと思います。

(政策風景と実験の様子)

 

 

PA(Performance Art) Teacher: Edwin Deen

この授業では「変化」を捉え、伝えるというテーマがありそこからスタートしました。また、この授業の先生がアーティストであり、授業も独特なものでした。授業に牛乳を1パック持っていき、授業の時間を使いその牛乳を役者(擬人化させる)として表現することがありました。生徒それぞれビデオの制作、写真で表現したりしました。「変化」の捉えかたは生徒それぞれで、生徒によってはMaterial Research の授業と重ね合わせている人もいました。変化は一瞬の出来事であったりするので、どのように伝えるか、どの媒体を用いるのが1番伝わるのかとても考えさせられました。ですが、この授業を通して「変化」という小さい自分の発見を伝える難しさを感じました。伝えるということはただ単に綺麗な言葉を並べることだけでは伝えられないこともあり、自分の表現にあった伝え方があるのだと思いました。

(中間講評の様子)

 


 

 

白藤 美緒(3年)

ヘリット・リートフェルト・アカデミー大学、オランダ

期間:2016年9月〜2016年12月

 

こんにちは、冬のオランダは乾燥していて寒いです。さて少し前の話になるのですが、同じクラスの仲間で手作り寿司パーティーをしました。ここではお寿司がとても人気で、自分たちで食材を買い楽しく作って食べました。オランダではお寿司をスーパーで買う事が出来ます。他にも習字など日本の文化に興味を持ってくれているようで嬉しく思いましたし、改めて日本はとても独特な文化を持つ国であると感じました。IMG_1073手巻き寿司を作っている様子

また、先生とクラスみんなで隣国であるベルギーのアントワープにいきました。オランダからアントワープはバスで役2時間半程かかります。そこでは歴史的な建築物や美術館に行く事ができました。

課題の最終的な講評は学外のギャラリーで行われました。白くて四角い綺麗な空間での展示ではなく、廃墟のような場所で行われました。初めはその事に驚きましたが、作品の雰囲気によく合っていて、その空間によって作品がよりいっそう魅力的に見えているということに気がつきました。通常は学校で講評を行う事が多いそうなので、学外で行う事ができて良かったです。学校で講評をしていたら作品の見え方も全く違っていたと思います。また、展示は一つ下の学年の生徒と合同で行いました。そのため作品を紹介しあったり、様々な人と交流する事ができました。

今回は学期を通して主要な課題が4つあったのですが、同じ時期に全て展示を行いました。課題ごとに分けず、作品同士の関係性や全体の空間などを考え配置を決めました。初めは作品の数が場所に対して多すぎるのではないかと不安になりましたが、作った物を全て展示をするのではなく、むしろまとめていく作業が大切であると学びました。

 

IMG_65777s

ギャラリーでの展示風景

 

 

最後に、今回の留学では多くの事を学びました。外国で生活するということ、文化の違い、また考え方や価値観の違いなど、短い期間ではありましたが自分自身にとって、とても貴重な経験ができたと思います。また面白い建築やプロダクトデザインなど、オランダの魅力を知る事ができてとても良かったです。この経験を今後の制作に生かしたいと思います。

 


 

 

横井 絵里子(大学院 1年)

ロイヤル・カレッジ・オブ・アート、イギリス

期間:2016年9月〜2016年12月

 

今回は、交換留学期間に使用していた編機と、1月に開催されているWork in Progress Showについてご紹介したいと思います。

 

留学期間は、こちらの新学期に当たる時期でした。そのため今期は、これまで使用したことのなかった機材の講習をいくつか受けることができました。多摩美では、家庭用編機を使用していました。家庭用編機は針が一方向に並んでいる、シングルベッドと呼ばれる機種になります。前回のレポートでも簡単に触れましたが、こちらでは、ドビー機という針が二方向に並んでいる機種をメインに使用して、制作に取り組んでいました。

①

写真は、制作途中の様子です。

②

ドビー機では、家庭用編機で作る編み地とは異なるパターンが作れることはもちろんのことですが、円形に編む編み地を作ることも、より簡単にできます。継ぎ目を作ることなく、筒状に編むことができるので、私はこの編み方で袋状の造形を試作していました。Print

この留学期間を通しては、編機を使っていくつかの異なる素材を使って、編み地を作るサンプル制作に取り組んできました。かなり実験的になってしまった部分ではありますが、これまであまり意

識していなかった、技法と素材の組み合わせや適性を考えることができた、良い経験になりました。

 

次にご紹介するのは、日本のメーカーのシルバー精工の家庭用編機とDesignaKnitというソフトを使用した機材です。

④DesignaKnit

これは、コンピューター織り機の編機バージョン、といったようなイメージの機材です。編機自体は家庭用編機なのですが、コンピューターとつないだ状態で編み地を作っていきます。普通、家庭用編機で模様や絵柄を入れた編み地を作成する際は、パンチカードというカードを使用して、針の動き方を操作を行います。この機材は、模様や絵柄をコンピューター上で作成して、針の動きも同様に操作してくれるけれど、編み地自体を作る操縦部分は、人が動かす、といった仕組みになっています。コンピューター上でのデータ作成でデジタルシミュレーションができて、家庭用編機を使って編み地を作るので、全自動の編機より簡易的に編み地が作れます。

 

最後に、RCAでは島精機の無縫製編機を使用することも可能です。機材の操作は学生がすることはできませんが、編み地のデータを作り、技術指導者と相談しながら制作していくことができます。イメージを形にする上では、これまでに紹介したような編機を使って、試作を重ねることが重要になるということを学びました。

 

私が現在研究分野の軸としているニットは、全く機械に頼らない手編みが向いているものと、編機を使ったほうがいいものとが混在している、不思議な分野であると感じています。今回の制作期間を通して、新しいものに触れられたことは、特性を理解し、次へ向けてそれらをどうやって使うか、考えるステップとなりました。

 

1月20〜22日の3日間で、Work In Progress Showが学内で開催されています。これは、学生の研究経過を展示形式で公開しているイベントです。RCAだけではなく、先日はCentral Saint Martinsで開催されたショーを見に行ってまいりました。

写真はCentral Saint Martinsの展示風景です。

⑤CSMWIP

 

初日の前日はPrivate Reviewということでしたが、多くの人でスタジオが賑わっていました。RCA学校全体で開催されているイベントですが、学科によって参加する学年や仕組みが異なるようです。テキスタイルは1・2年生共に参加していて、各学生のテーブルを中心に、作品やドローイングなどが並んでいます。

⑥RCAWIP

このイベントでは、学科を超えての交流もありますが、外部に公開することでスポンサーやコラボレーションなどを企画する機会ともなっているようです。テーブルに並ぶ学生の作品は、見ているだけでもドキドキするくらい、力強いものばかりです。研究の経過でもあるので、これからどうやって進化していくのかがとても楽しみです。ほとんどの学生の制作風景を垣間見ることができるので、私も次の制作へ向けての刺激を受けることができています。

今回のレポートでは、WIP Showについては見きれていないため、詳しくご紹介できておりません。帰国後に改めてご報告できればと思っております。

 

 

 

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