受験生向けFAQ

進学相談会でよく質問される項目をまとめてみました。


Q 絵が描けないのですが、実技の授業についていけるでしょうか?
A 何の心配もいりません。芸術を学ぶには実技を学ぶことも必要なので、芸術学科の授業にはたくさんの「つくる」授業(実技科目)がありますが、「手を動かしながら考える」ことを目的とした授業で、絵のうまさや技術を問うものではありません。1年次の基礎科目の実技は、とくに何の準備も必要なく、高校で美術を選択しなかった人でも十分に対応できるものです。


Q 鉛筆デッサンの試験で求められる技術レベルはどのようなものでしょうか?
A 
試験時間も3時間と他学科に比べて短く、けっして高度なデッサン力を競うものではなく、「自分の目で観察したものを描く基本的な力」「モチーフを造形する力」をみるものです。芸術学科独自の要素として、デッサンしたものについて文章(600字程度)で記述するというものがあります。言葉で記述することも求めるのは、それが美術等の作品を研究したり批評するさいの基本的な作業になるからです。


Q 実技の学科でなくても美術教員になれるのでしょうか?
A 
教職課程の必修科目を履修し、芸術学科のデッサンやデザインの科目を取り、教育実習で実際の教育現場を体験すれば、中学・高校美術教員免許が得られます。教員試験に合格した卒業生が、毎年、中学(美術は全員必修)や高校(美術は選択科目)の美術教員として活躍しています。


Q 推薦入試の内容は具体的にどのようなものでしょうか?
A 
アートプロデュースをポイントにした入試で、学校長推薦を伴う課題提出型の推薦入試です。募集定員は5名で、小論文試験と面接も行ないます。提出課題は、「空想の○○○」のプロデューサーとして自由にプランを企画してください、というものです。○○○には、展覧会、イベント、書物、上映会、コンサートなど、プロデューサーを必要とするものなら何を入れても構いません。意図や展示プランを書いて提出してもらうものです。ぜひ多くの方に挑戦していただきたいと思います。


Q カリキュラムのキーワード「つくる」「考える」「伝える」とはどういうことを指しているのでしょうか?
A 「
つくる」カリキュラムは美術・映像・編集などの制作を経験する授業を指し、入学年から制作に取り組めます。作品をただ見ているのと、制作の体験をするのとでは、アートへの理解度が違ってきます。美術の現場で活躍する実技の学科の先生方の協力も得て、経験者はスキルアップを図ることができ、未経験者はかけがえのない経験ができます。書籍や雑誌の装丁やレイアウトをするデザインの科目もあります。作品制作のための「スタジオ」や「編集室」があるのも美大ならではの環境です。
 「考える」カリキュラムは講義系授業を指しますが、美術のみならず、文芸、映像、音楽、歴史、思想などさまざまな視点を持つ専門性の高い講義がたくさんあり、皆さんの視野を広げます。教授陣は、評論家や研究者、キュレーターとして実社会で活躍している人ばかりで、今動いている生のアートの世界について話を聞くことができます。
 「つくる」「考える」を経てアートの素晴らしさを人に「伝える」のは、大変意義あることです。作品や作家のよさを多くの人に「伝える」カリキュラムとして、実際に展覧会を企画するなど、さまざまな実践型授業があります。現役の美術家と接し、実際に作品を扱い、大学の内外の会場で展覧会の設営をし、お客様を呼んで見てもらう。ほかにも、子どもたちにアートの楽しさを伝えるイベント開催にかかわる授業やアート雑誌制作、書籍出版、上映企画、等々、多様な形で社会に発信するスキルを経験します。


Q 総合大学の文学部の芸術学科との違いは何ですか?
A 
芸術学科とはアートを学び研究する学科ですが、大学により性格やカリキュラムが大きく異なります。文学部の中にある場合は、美術史や諸芸術の学問研究が主体になります。本学では美術大学の芸術学科として、理論だけでなく、実際にさまざまな表現を学ぶ授業やアートプロジェクトを実現する授業など、「伝える」ための他大学にはないユニークな実践的授業が特徴です。より実践的・行動的に芸術にかかわるため、学外の美術館や劇場に出向いて鑑賞したり、多様な実技講座、展覧会や出版を学生が実践する科目、多分野の創作者を招き直接話を聞く授業など、数多くの特色ある授業が豊富にあります。


Q 卒業論文はどんなテーマが多いのでしょうか?
A 
芸術学科のHPでも毎年の卒業論文タイトルを公表していますが、美術史や文学のテーマからファッションやアニメ、サブカルチャーまで、芸術文化に関する幅広い領域が取り上げられています。また、優秀な卒業論文には「東野芳明記念・芸術学科優秀卒業論文賞」が毎年授与されています。