【開催レポート】公開勉強会 「縺れのデザイン」 2018年4月11日

新学期が始まって間もない水曜の夕方、「縺れのデザイン」公開勉強会を行いました。

講師は岡野道子氏(サンパウロ連邦大学美術史アジア美術学科助教授)。進行は、部門統括の港千尋所員。

ブラジルの日系アーティストの作品を世代ごとに鑑賞し、ブラジルにおけるニッケイ(Japanese diaspora)の多様な表現について学び、考察を深めました。

 

今回の勉強会では、ブラジルのニッケイの視覚表現を通じて、文化の伝承や変容のあり方について問い直すことができました。参加者も、それぞれの専門分野や、日本国外(イギリス、米国)での居住経験をもとに、多様な意見や質問を出しました。特に、国籍の有無や居住地域とは別に、継承される「日本的なるもの」と、そこからうまれる独自の身体表現に関心が寄せられました。各世代の作品の主題、コンセプトの相違点や共通点にも、注目が集まりました。

多様な議論が展開された、興味深い時間/空間となりました。


司会:港千尋(映像人類学/多摩美術大学)
会場:芸術人類学研究所

2018年4月11日(水)16時20分~18時00分

参考文献(多摩美術大学図書館所蔵)

『ネオ・トロピカリア ブラジルの創造力』エスクァイアマガジンジャパン、2008年。

群馬県立林美術館『陽光の大地:ブラジルの日系人画家たちと大岩オスカール: 兵庫県立美 術館所蔵リカルド・タケシ・赤川コレクションを中心に 』群馬県立林美術館、2014年。

東京国立近代美術館(編)『ブラジル:ボディ・ノスタルジア』東京国立近代美術館、2004年。

都留ドゥヴォー恵美里『日系ブラジル人芸術と〈食人〉の思想: 創造と共生の軌跡を追う 』三元社、2017年。

現代企画室、大岩オスカールスタジオ(編)『大岩オスカール:グローバリゼーション時代の絵画』現代企画社、2008年。