[title] Institute for Art Anthropology INFORMATION

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Aug 22, 2010

自然の産婆術研究会のお知らせ(更新)

8月25日に開催する研究会、「自然の産婆術」maieutike vol.2  /自然を食べる作法と技術 につきまして、追記いたします。

参加費 一般¥2000となっておりますが、このたびはIAA友の会会員・CCAA会員の方は ¥1000に割引にてご案内いたします。

皆様の参加を広くお待ちしております。

2010/08/22 15:34 | 研究会 | Permalink | Trackback

Aug 12, 2010

自然の産婆術 vol.2 /自然を食べる作法と技術

IAAとくくのち学舎の共催研究会を開催いたします。

■「自然の産婆術」maieutike vol.2  /自然を食べる作法と技術

日時: 2010年8月25日(水)17:30〜19:30 参加費: ¥2000 お茶+軽食付き ※お申し込みはくくのち学舎の登録フォームから→https://pro.form-mailer.jp/fms/51f0ccf411537 (参加費は当日受付にてお支払いください。) 定員: 30名

会場: NPO法人CCAA アートプラザ図工室 (新宿区四谷4-20 四谷ひろばA館地下1F) 交通: 東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目」駅下車 徒歩10分     都営地下鉄新宿線「曙橋」駅下車 徒歩15分

■プログラム

トーク1  <農の産婆術>   石津大輔(米農家/針江のんきぃふぁーむ) トーク2  <食の産婆術>   村上秀貴(料理家/キッチンわたりがらす) クロストーク/自然を食べる媒介術 石津大輔、村上秀貴、瀬戸山玄(ドキュメンタリスト)、石倉敏明(芸術人類学)、濱田礼子(画家)

 私たち現生人類は、自然の産物を食べて生きています。他の生物はお互いに食べたり食べられたりしますが、人間だけはほとんど食べられることがありません。しかも他の生物を殺して「食べられるもの」に変えるための技術がなければ、人間は「食べること」さえもできません。そう考えると、外なる自然と内なる自然を媒介する技術の大切さが、現代を生きる私たちの前に大きく浮かび上がってきます。  野生植物を「野菜」に変え、野生動物を「家畜」に変えるだけでなく、それらを調理して、美味しく健康的に食べようとしてきた祖先の技術。それは自然音から音楽を創る音楽家や、光や色彩から絵画を生み出す画家のそれと同じように、ダイナミックな素材の変容をもたらす媒介術です。今回の企画は、農業と料理を実践する若手二人によるトークと軽食を楽しみながら、参加者全員で<食>と<身体>の未来を考えます。

※この企画は多摩美術大学・芸術人類学研究所/くくのち学舎共催公開研究会として行われます。

■講師プロフィール

石津大輔 農家・針江のんきぃふぁーむ 1981年滋賀県高島市生まれ。比叡山高校を卒業後、大阪の専門学校で学び服飾業界へ。 2005年より農業に転身。「食と農を明日へつなぐ」を第一により環境に負荷をかけない、持続可能な農業を目指し有機農業などに取り組む。 針江のんきぃふぁーむHPhttp://nonkifarm.com/

村上秀貴 料理家・キッチンわたりがらす主宰 建築学科卒業後、世界20カ国への旅に出る。帰国後、東京の瓦版と称し、浮世離れした遊びから街の日常で起きていることなどをインタビューして回った雑誌『雷神』を創刊。「おいしさ」号で出会った食材の生命力と、まごころの味に触発され、以後見よう見まねで料理を始める。茅場町にあるレストランでシェフを務めた後、独立。2009年、出張料理人としてケータリングを主とした「キッチンわたりがらす」を主宰。2010年には南麻布にキッチン兼店舗を構え、活動中。 http://watarigarasu.jp/

瀬戸山玄 1953年鹿児島県生まれ。早稲田大学文学部卒業。写真作法を若き日の荒木経惟氏に学び、テレビCMや短編映画の制作会社勤務。その後、1980年よりフリーになり、ノンフィクションライター、写真家、映像作家として、幅広く活動中。現在は、「ドキュメンタリスト(記録する人)」として、「暮らしの手帖」などに連載。著書に、「野菜の時代―東京オーガニック伝」日本放送出版協会など。 http://www3.ocn.ne.jp/~mimimura/index.html

石倉敏明 多摩美術大学芸術人類学研究所所属。

濱田礼子 多摩美術大学芸術人類学研究所所属。

■お問い合わせ  多摩美術大学 芸術人類学研究所  tel:042-679-5697 Fax:042-679-5698 E-mail: iaa_info@tamabi.ac.jp

■共催 くくのち学舎 http://kukunochi.jp/

2010/08/12 0:09 | 研究会 | Permalink | Trackback

May 10, 2010

IAA研究会「自然の産婆術」報告

5月1日に行われた研究会「自然の産婆術」maieutike vol.1/精霊のかよう道筋の報告です。

好天のもと、開始となった研究会。 前半には分藤大翼氏(映像人類学)と高木正勝氏(音楽家/映像作家)の作品上映+解説。 後半は井藤昌志氏(LABORATORIO主宰/木工作家)、大淵靖子氏(馬術アーティスト)、 石倉敏明(神話研究)をまじえ、5人でのクロストークがおこなわれました。

哲学者ソクラテスは、自分を産婆に見立てて、知を生み出す手伝いをする者とし、 その作業法としての問答法を「産婆術(maieutike)」と呼びました。 今回の研究会は、ソクラテスの産婆術ではありませんが、そうした知性を生み出す実践の場を 立ち上げることがきっかけとなりました。

分藤氏の映像作品『Wo a Bele』は、カメルーン共和国の森に暮らすピグミーと呼ばれる 人々(バカ族)の暮らしを撮影したものです。 分藤氏は、彼らと生活をともにする中で生まれる距離感や、彼らが目に見えないさまざまな気配の ようなものを「精霊」と呼んで敬意をはらっていることを話しました。 そして、そのような「気配」に身を近くして生きることは、決して遠いものではなく、 私達も身につけている普遍的な知性ではないか、と述べます。

高木氏とIAAのコラボレーション作品《ホミチェヴァロ》に出演した大淵氏は、撮影時のことを 「場所の状態や天気や風の具合など、いろいろな条件がこちらの意志と関係なく かみあったとき、すべての要素が調和して『いい映像が撮れた』と思えた」と振り返り、 馬に乗る時にも、自分よりも他の要素の大きさを感じざるを得ない、と言います。 高木氏もまた、音楽を奏でる時、しだいに楽器を弾く自分が主体ではなく音や楽器が主体にもなり、 両者が相互におりかさなってくる感覚を語りました。

木工作家の井藤氏は、幾年もの歳月を経た古材を扱うとき、 その古材の癖をそこなわず、自分の「こうしよう」というエゴを主張しないことに 細心の注意をはらうことなど、職人として素材と向き合うときの体験を語りました。

こうした対称性と呼べるような世界観は、神話において昔から語られてきたことですが、 ものづくりによらず、ジャンルを越えて起こる共通感覚のようです。 そこには有形無形を問わず、自分とは異なる対象への畏敬の姿勢があることも共通しています。

このような終わりのない語りの中から、異なるジャンルに通低している「産婆術」が 見えてきたクロストークとなりました。

この研究会は今回が第一回。 今後、さまざまな場所でこうした研究会を開催していくことを目指します。

2010/05/10 20:01 | 研究会 | Permalink | Trackback

Apr 27, 2010

IAA研究会 in LABORATORIO 「自然の産婆術」

IAA研究会のお知らせです。 ■「自然の産婆術」maieutike vol.1/精霊のかよう道筋

プログラム  高木正勝『Homiĉevalo』・分藤大翼『Wo a bele』上映 クロストーク 「自然の産婆術」  井藤昌志(木工作家/LABORATORIO主宰)、高木正勝(音楽家/映像作家)、分藤大翼(映像人類学者)、 大淵靖子(馬術アーティスト)、石倉敏明(神話研究者)

日時 2010年5月1日(土) 15:00〜18:00 会場 LABORATORIO    長野県松本市大手13-29 http://www.ifuji.net/laboindex.htm 参加費 1,000円 お茶+お菓子つき ※参加者多数の場合、途中で入場をお断りする場合があります。

芸術は人間の心の内側に潜む自然と、外部にひろがる自然の出会いから生み出されます。 偶然に出会った現実を受けとめ、その感動を軸にユニークなかたちを創りだす創作者。 そのしなやかな技は、どこか出産を助ける「産婆」の技術にも似ているように思えます。 現代の世界に創造的な精神=精霊を呼び覚まし、物質性と運動性をあたえていくためには、 どんな工夫や技術が必要なのでしょうか。LABORATORIOという自発性あふれる実験の場で、 映像・音楽・馬術・モノづくり等に共通する、「精神=精霊のかよう道筋」を探求します。

※この企画はLABORATORIO/芸術人類学研究所の共催公開研究会として行われます。

■講師プロフィール

高木正勝 1979年生。音楽家・映像作家。IAA客員研究員。        映像と音楽両方の制作をてがけ、国内外で注目を集める。CD/DVDリリース、        アート・スペースでの展覧会や世界各地でのコンサートなど、分野に限定されない        多様な活動を展開している。          

分藤大翼 1972年生。映像人類学者。信州大学准教授、IAA研究所特別研究員。        京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士過程修了。        1996年よりアフリカ、カメルーン共和国南東部の熱帯林に暮らす狩猟民Bakaの調査を行う。        2002年より調査集落において撮影をはじめ、ドキュメンタリー映画の制作を進めている。        著書『森と人の共存世界』(共著、京都大学学術出版会、2001)など。                         

2010/04/27 14:25 | 研究会 | Permalink | Trackback

Oct 05, 2009

第2回bi-logic研究会 報告

10月2日(金)に行われたIAA主催「bi-logic研究会」の報告です。

この研究会は、研究者の発表の場として今年から立ち上げられました。 2009年度のテーマは「芸術的創造の場としての神話思考」、 第1回が5月に行われたのにつづき、第2回の今回のテーマは「モノとの同盟」です。

一人目の発表者、東海大学大学院研究生(古代アンデス文明研究)の鈴木美穂子氏は、 「モチェ図像 ーモノの反乱のテーマー」と題し、現在のペルー北海岸に紀元前後〜紀元後700年頃 にかけて興ったモチェ(Moche)文化に描かれる、擬人化された道具の図像を取り上げました。 文字を持たなかったモチェ文化が研究されるなか、これらの図像は、これまで漠然と「アニミズムの表現の 一例」と言及されるにとどまっていました。しかし、鈴木氏は発表の中で、それらを今までの西洋的な視点 とは異なる東洋的な視点で見なおした時、これまでの研究では明らかにされなかった図像に宿る“力”や、 モチェ人がモノとどのように向き合っていたか、新たな姿が見えてくることを述べました。

二人目には、武蔵野美術大学教授(民俗学)の神野善治氏を迎えました。 「モノと記憶 ー民具調査の現場からー」と題された発表のなかで、神野氏はご自身の膨大な民具調査の 一端から見えてくる、民具の世界の広がりについて言及。その構造的な研究から、民具の発達が、さな がら曼陀羅のように私たちの暮らしの中で展開されていく様子が明らかになります。 『木霊論』(白水社)の研究成果にも触れた調査報告はとても多岐にわたり、道祖神の原型といわれる 「人形」から、東京都三鷹市に現存する水車小屋の内部、そして最後に南方熊楠の「南方曼陀羅」に見ら れるような、道具の持つ流動性に言及し、発表を終わりました。

鈴木氏の南米、神野氏の日本民俗学という視点から語られる「モノ」の姿は、ともに人間との協働関係を 考えさせられる、とても新鮮なものでした。

発表後の質疑応答では、出席した研究者や中沢所長から活発な意見や質問が出され、まだまだ終わらない 空気のなか、時間となりました。

研究所ブログでは、今後、このような非公開の研究会の報告もして参りたいと思います。

■ バイロジックbi-logic研究会とは?

 宇宙の生み出した人間の心とその創造性について、諸科学の探究を踏まえた根本的 な視点の転回が迫られています。バイロジックbi-logic研究会は、現生人類の「心」 を中心に据えながら、そうした諸科学の知見を総合し、21世紀の世界に新しい価値と 視点をもたらそうとする、意欲的な研究発表のための場所となることを目指します。  この研究会は人間と自然、心と宇宙の本質に関わるあらゆる事象を、研究のテーマ とします。その成果は開所4年目を迎える芸術人類学研究所(IAA)の活動、また広く社 会へと開かれた新しいタイプの講座組織=《くくのち学舎》の実践と共鳴・連動して発 表されます。学問の中心に大胆な創造性と冒険心を呼び戻し、芸術作品の創造に比す べきひらめきを手に入れるための、切磋琢磨の場面となることを目標とします。 〔コーディネーター:石倉敏明(芸術人類学研究所助手)〕

2009/10/05 16:34 | 研究会 | Permalink | Trackback