2010.02.05
卒業生だより -青柳翔太さん-

3人目の「卒業生だより」は卒業後、ロンドンのRoyal College of Art(RCA)に留学中の
青柳翔太さんから、留学生活の模様をご紹介していただきます。


- from aoyagi -

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2009年に多摩美のプロダクトデザイン専攻を卒業し、その年の秋からロンドンの
Royal College of Artという学校に留学中です。

こちらに来てから5ヶ月ほどが経ちました。今回が初めてのレポートになります。

僕はこの学校のDesign Productsというコースを専攻しています。
ここは大学院大学なので基本的に1、2年生しかいません。

僕の専攻には2学年合わせると70名ほどの学生がおり、
そのうちの半分以上がイギリスの外から来ている留学生です。

授業の言語はもちろん英語ですが、教室にいるといつも多様な言語が聞こえてきます。
みんなひとつの教室の中にいます。




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教室にある掲示板

Design Productsにはプラットフォームという独自の制度があります。

これは日本の大学にもあるゼミのようなもので、2〜3人の講師が
それぞれを担当していますが、彼らの関係に上下はありません。

またこの専攻を管理する側がプラットフォームを持たないので、
全てのプラットフォームは対等で、その独自性を維持しています。

これが多種多様なアウトプットがRCAの学生から生まれるひとつの要因かもしれません。

プラットフォームは個別に異なる嗜好を持っていてるので、講師によるプレゼンテーションのあとに
各自が学びたいことに最も近いと思うところを選ぶことになります。

現在、6個のプラットフォームがあります。
つけられた番号は2・6・8・10・12・13とバラバラで、どこか永久欠番のようでかっこいいです。


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基本的に、各自の属したプラットフォームでの課題・研究が大学での中心的な活動になりますが、
その他に面白いものとして回路設計や電子部品の操作などへのサポートもあります。

Arduinoといったプログラミング操作が可能な基板を使用し、
簡単な用途としては照明などの光の強弱をコントロールできたり、
カメラやマイクなどのセンサーを使用してインタラクティブな装置を制作するなど
用途は色々考えられそうです。

実際に動くモデルを作ることで得られるリアリティはとても大きいです。

他人に体験してもらえばその場でフィードバックがすぐに得られるし、
検証からさらに飛んだアイディアにつながるかもしれません。

このプログラムには、数年前にRCAを卒業したデザイナー(写真左)が講師として来てくれています。
上の写真はコイルを使って金属に磁力を持たせる簡単な実験をしているところです。

授業が終わってから片付けをしていたときの雑談から始まったのですが、みんなとても興味深々です。

その後、コイルの話からRFIDの話題になりOyster Card(日本のSuicaのような交通カード)を
学校のカードリーダーに近づけるとお金を吸い取られる とか、だったら逆にハックできるんじゃないか
と話は変な方向に。。。技術的には可能だそうです。

今回は僕のいるコースを簡単に紹介しました。
次回はWork in Progress Showについてレポートします。

–青柳


青柳さんには今後も留学生活の様子をレポートしていただく予定です。
どうぞお楽しみに!



2010.01.27
卒業生だより -兵野涼子さん-

卒業生だより」の第2弾です。

2009年に卒業した兵野涼子さんの卒業制作がWallpaper*のWEBサイトに掲載されました。
世界各国の美術・デザイン学校の卒業制作が紹介されているなか、兵野さんの卒業制作も選ばれました。

今回は兵野さんに卒業制作の紹介や思い出をお話ししていただきました。

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(1)卒業制作の作品を紹介してください。

泡や雪のように繊細で美しい白色を表現したい。
この思いから、光の乱反射を利用したパーティションを作成しました。
光の乱反射によって生まれる「白色」を形として表現することがこの作品のコンセプトです。

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この作品は、アクリルに泡のイメージから抽出したグラフィックパターンをレーザー加工で刻み込んでいます。複雑な乱反射を作り出すためにアクリルをレイヤー状に5層重ね、距離感や浮遊感を演出しました。


Deepenでは造形と密接に関わった色彩表現をテーマに、構造色や光の乱反射から
生まれる白色など顔料や色素以外の「色」を研究しました。

そこから、光の乱反射によって白色に見える素材の収集、サンプル作成などを経て
レーザー加工での表現方法を模索していきました。


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(2)卒業制作で苦労したことや良かったことなど思い出を教えてください。

一番苦労したのは構造です。

なにしろアクリルの総重量が70kgもありましたので、私一人では知識不足のため
物理的な強度や構造を考慮したデザインをイメージすることができませんでした。

そのため毎日工場に行き、形のイメージやコンセプトを伝えながら作品にとって
最も適した構造を職人さんと一緒に模索しました。

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自分が理想とする素材や技術にチャレンジ出来たこと、これが一番良かったことです。
通常の課題では入手しやすい素材を用いて制作しますが、卒業制作では理想の素材を
惜しげも無く使うように心掛けました。

その為、加工方法や素材など多くの知識を得ることができ、加工方法に自分なりの工夫や
こだわりを取り入れることが出来ました。

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(3)これから卒業制作に取り組む後輩たちに向けてメッセージをお願いします。

卒業制作は、4年間一緒に頑張ってきた仲間と取り組む最後の課題です。

同じ思いを胸に抱く仲間と作品を作り出す経験は、なかなか出来るものではありません。
卒業制作自体は個人制作ですが、まずこのことを大切にして欲しいと思います。

あとは諦めないこと。デザインに、時間に、自分自身に。

理想とするデザインを実現する事やモチベーションを維持するのはとても難しいことですが、
諦めずに一歩一歩積み重ねていって下さい。

体力のあるデザイナーになることが、社会の中では大切なのかな、、
と最近、私は思います。

思い通りにいかないこと、自分に歯痒さを感じることは沢山ありますが、
諦めずに進む事が何よりも大切だと思います。

頑張って下さい。



2009.12.15
卒業生だより -横井康秀さん-

「卒業生だより」・・・・

こちらでは多摩美プロダクトデザインの卒業生がつくったもの、卒業生の活躍をご紹介していきます。


その記念すべき第1回目として2007年に卒業し、現在は株式会社ニコンでデザイナーとして活躍されている
横井康秀さんに開発に携わった製品をご紹介していただきました。

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(1)Nikon COOLPIX P90ってどんなカメラですか?

コンパクトでも多機能・高性能を手軽に楽しみたいユーザーに向けたカメラです。
広角から超望遠までカバーする光学24倍ズームNIKKORレンズ/チルト式液晶/多様なモード設定など、
これまでにはなかった撮影体験を存分に楽しむことができます。

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(2)デザインで苦心した点を教えてください。

一眼レフカメラを買うほど意識は高くないけれど、ちょっと手軽に本格的なカメラを使ってみたい。
そんなユーザーに向けたデザインテーマとして『わかりやすい本格感』と、カメラらしさの範疇を
守りながらも際立つ表面処理等で『贅沢さ』を表現する事を狙いました。


主なアイデアとして以下を提案し製品にて実現しました。

・本体の「レザートン塗装」と、前面ロゴ部分及びグリップ上面の「ピアノブラック光沢」によるコントラスト
表面処理のコントラストが映えるよう考案したカタチと独特なパーツ分割構成、つやつやの黒塗装実現などに苦心しました。設計難易度/製造工程/コスト/安全性など、大量生産品ならでのハードルを多数乗り越え、実現に至りました。

・本格的な道具を思わせるモードダイアルの菱目ローレット
突起形状のディテールを詰め、またカチカチというクリック音と触感も重要な演出要素として、設計者と協力しながら最後まで微調整しました。

・グリップ形状
コンパクトサイズは守りつつ、本格的な一眼レフカメラと同じく握りやすいグリップを追求しました。ラピッドプロトタイプを数多く制作するなどして、粘り強く検証に検証を重ねた箇所です。

その他に、可動モニター/ボタン/レバー/ダイアルなどの操作性と見た目のバランスも、最後の最後まで詰め作業を行いました。
設計担当者がデザイナーの意見にも積極的で、難問に対して親身に取り組んでもらえたことも非常に大きかったと思います。


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初期のイメージスケッチ



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開発中に数段階にわけて確認モックアップを作成。これら以外にも3Dプリンターによる簡易モデルを随時作り、形状を確認した。



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塗装やメッキなど表面処理のバリエーションを多数試作した。



(3)後輩へメッセージを頂けますか?

社会に出てからのデザインも学生の頃と大きくは変わらず、アイデアを検証しカタチにする、の繰り返しです。もちろん関わる人が増える分、使い勝手/製造/販売面など、次から次へと降り掛かる難問に対してアイデアを提案しなければなりません。うまく行かない時は何度もアイデアを練り直します。
カメラという職種柄かもしれませんが、この練り作業は学生の頃よりはるかに粘り強く、長く、大量に繰り返されます。学生のうちからもっとねちっこく制作していたら…と思うこともしばしばです。
ですが多摩美で培った柔軟な発想を実現するためだからこその、生みの苦しみの作業だと思います。またその分、製品として発売され実際に使っている人を見たときは、それまでにない気持ちがこみ上げてきました。
多摩美ならではの自由さと貪欲な探究心で、濃い学生生活を送って下さい。


2009.07.03
「自分発見ガイダンス」レポート

2005年卒業の安藤聖子さんが就職課主催の「自分発見ガイダンス マイ・キャリアを創る・2」に
ゲスト講師として、大学にいらっしゃいました。

現在、勤められている(株)GKダイナミックスでの仕事紹介や学生時代に学んだこと、
社会人になってから経験したことなど、これから将来の進路を決定していく学生たちにとって
大変参考になるお話を聴かせていただきました。

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ガイダンスの模様はtamabi.tvにて公開する予定ですので、聴講できなかった学生はお見逃しなく!

安藤さん、本日はどうもありがとうございました。

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