2010.06.17
卒業生だより -三井てまり さん-

先日、研究室に素敵な照明が届きました。
さっそく、卒業生の作品や参考製品が集まる「サロン」に置かれています。

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4回目の卒業生だよりは、この照明のデザイナーで、
オーデリック株式会社の三井てまりさん(2007年卒)です。


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(1)ododo誕生の逸話を聞かせてください。


この照明のコンセプトは『コードがしっぽの光るいきものたち』です。
この商品は通常の業務であるカタログに載る照明器具とは違い、オーデリックのアンテナショップのために
制作したものです。そこでスタンドタイプの照明を考えるということになり、そのとき最初に思ったことは

「どんな風に作るのであれ、出来上がった照明にコードがなんとなくぴよーっと出てしまうのは何か嫌だな・・・。」

ということでした。そこで、

「コードをしっぽのように見立てて、なんだかよくわからないけど、
 モノとしてかわいらしいような愛着のわくようなものはできないかな。」

ということを考えました。

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(2)デザインで苦心したことがあれば教えてください。


これは波佐見焼といって長崎県波佐見町というところで作られている磁器です。
磁器は陶器とは違って透過性があります。磁器は陶石という石を粉砕して粉にし、
それをこのような中空の形を作る場合は、鋳込みという手法によって成形されます。
鋳込みは急須や土瓶などを作るのに適した手法です。その際は陶石の粉を水などで溶いてさらさらの泥のような液状にし、
それを石膏で型に流し込み、型の内側に肉厚が付いたら、余った泥を捨て、しばらく型を放置した後、成形されたものを
型から外す。という手法です。そこから乾燥・素焼きをし、釉薬をかけ、また焼いて完成です。

元は泥のようなものなので、あんまり薄かったりするとできません。
あと、型から外すときや焼くときなどにも形自体に十分な高さや厚みがなかったりすると、崩れてしまいます。
そういうことを窯元の方とやりとりをして修正を繰り返していきました。

その修正というのも、単に焼き物としての製造上のことだけでなく、
ランプを入れて長時間点灯した場合を想定した試験を繰り返し、
なかなかその基準をクリアしなかったため、何度も修正を加えざるを得ませんでした。
会社の人にも、窯元の方にもずいぶんご迷惑をかけてしまったと思います・・・。

そんなこんなで出来上がったものですが、コードがしっぽのように見えるかは・・・微妙な気がしないでもないですね(笑)。
当初のコンセプトである何の動物なのか言い当てられないような変な、愛嬌のあるフォルムにするのが目的でしたので、
そこを見てもらえたらいいなと思っています。


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(3)後輩へのメッセージを頂けますか?


学生の頃の私は(今もあまり変わらないけれど。)可もなく不可もなくというか、
強いて言えば元気だけが取柄で(そのくせ何かあるとすぐ落ち込むのです。)周りのみんなに刺激されながら、
大学での日々を過ごしていました。
とりわけ成績が優秀というわけではありませんでしたし、何をデザインしたいかという確固たるビジョンが
あったわけでもありませんでした。

ただ何かしらの表現を通して、人の生活とか暮らしとか、そういうものに関わっていけたらいいな。とは思っていました。
そんな私も友達に支えられ、先生方や副手さんにもとてもお世話になり、笑ったり、悩んだり、ときには泣いたりもして、
周りの人たちに迷惑掛けてしまったことも多々ありました。
周りと比較して、自分にガッカリすることもたくさんありました。(というか今もあります!!)
褒められてうれしかったり、痛いところを突かれて落ち込んだりの連続です。
とはいえ、月並みですが、そのときがあったからこそ、今があるのだと思います。
そして、現在の私が過ごしている『今』という時間も今後の私の在りようや考え方に影響していくことでしょう。

学生の時の『今』はまだ、自分が将来どうなりたいかわからないかもしれないですが、どんな方向に進むのであれ、
自分に自信をもって取り組むことが大事だと思います。
そして、美しいとかきれいだとかを感じる心を大切にしてほしいです。その気持ちを通して、自分なりの表現が生まれるのだと思います。

それが将来的にどんな形であっても、モノとしてでなく、コトでも何でもいいのだと思います。
当り前だけれど、自分は自分以外にはなれないのだから、みんながちがっていてもいいはずです。
解答はいかようにもあるはずですし、絶対的な正解が存在するものでもありません。
それは人によって、そしていろんな状況によって、また様々な力関係によって変化すると私は思っています。
その中で、どういうラインを自分が選び出すのか。それが自分にしかできないモノ、コトにつながるのだと思います。
(と、自分に言い聞かせつつ書いています・・・。)

あと、大学で出会った同級生たちは私にとって大切な友達であり、ライバルであり、そして尊敬の対象でもあります!!
不思議な感情ですが、そのような人たちに出会えたことに感謝しています。
だから、みんなで切磋琢磨して(ときにはモチベーションが下がるときもあるだろうけど。)自分のラインを見つけていってほしいなと思います。

となんだか話が長くて、ありきたりで、偉そうで・・・恥ずかしい限りですが、自分なりの考えを持って、物事に取り組んでほしいと思います。
最後に今回紹介させていただいた商品はDay by Day青山店にて販売しております。

Day by Day青山店
〒107-0061
東京都港区北青山3-7-10 MTビル2F
注:ちなみにこの店舗は今年の10月に吉祥寺の伊勢丹跡地に建てられる商業施設に移転予定です。
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三井さん、ありがとうございました。


[tkhn]

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