TD領域修了の大水綾子さんが、皇室藕絲蓮織物献上会に貢献。

令和元年11月11日 渋谷区東郷記念館にて皇室藕絲蓮織物献上会が行われました。テキスタイルデザイン専攻学部卒業およびテキスタイルデザイン領域で修士課程を修了した大水綾子さんが、ミャンマーで手紡ぎした蓮糸を自ら糸の補強から染めと織を担当しました。1300年の年月を超えて復元した蓮糸100%の礼服用着尺反物を、愛子内親王殿下へ霞会館を通じて献上しました。

蓮織物(藕絲織物)の歴史は日本においては、仏教伝来とともに、奈良県当麻寺,観経当麻寺蓮糸曼荼羅に代表されるように、飛鳥時代から伝わる、皇室と非常に御縁の深い織物です。

2002年、上皇天皇陛下のご学友であった故・千本松幹夫先生が「社団法人 献上藕絲蓮の会」を設立し、上皇陛下に20cm×20cmの小さな蓮袱紗を献上し、蓮糸で出来た着物を愛子内親王殿下が20歳になるまでに献上する約束をされたことがこのプロジェクトのはじまりです。

2010年以降に、その遺志が引き継がれ、大正紡績株式会社、株式会社GIM、オーロラ株式会社等、様々な企業の尽力を得て、2018年大水綾子さんの染織により蓮藕絲100%の着尺反物が織り上がりました。
泥水の中でも凛と咲き誇る蓮が持つ「生命の誕生」「多産の象徴」「釈迦が生まれた聖なる花」にちなみ、愛子内親王殿下の御健康、御平安、御多幸を祈願するとともに、日本の伝統文化の継承と平和が蓮織物に託されました。

教授:川井由夏