【展覧会】展覧会設計ゼミ2022 展覧会開催のお知らせ

 6回目となる「家村ゼミ展 2022」は、『中村竜治 展示室を展示』を開催いたします。中村竜治は、1972年生まれ。住宅、店舗、公共空間などの建築設計を行うと同時に、家具、展示空間、インスタレーション、舞台美術なども手がけています。数々の賞を受賞しており、なかでも椅子作品<へちま>は、ヒューストン美術館他の収蔵作品となっています。2010年に東京国立近代美術館で開催された「建築はどこにあるの?7つのインスタレーション」では、およそ100㎥のすかすかのボリュームを、細い紙の部材を接着剤によってトラス状にひたすらつなぎ合わせることでつくりだしました。建築家とアーティストの境界を越えるよ うな作品であり、大きな話題となりました。
 昨年は、建築家として初めて資生堂ギャラリー第8次椿会のメンバーに選ばれ、他の5組のアーティストとともに「この新しい世界」展に参加しました。出品したのは、低めの間仕切壁もしくは大きめの展示台といえるような白く細長い直方体でした。そして、この設えが結果的に、展覧会全体の空間を統御することになりました。
 今回、中村には、展示する作品をつくるのではなく、展示室そのものを展示するような展示にしてほしいとお願いいたしました。
 そしてそれに対して中村は6つの案を提示してくれました。それらは「結界」という、彼が今年の第8次椿会展出品作品として構想している思考の延長上にあるものでした。
  一方、家村ゼミは、「展覧会の完成形をあらかじめ定めず、作家・学生・教員、さらにはその周辺をも巻きこみ、その過程そのものを運動体として提示し、その試行錯誤の行い全体を展覧会と捉え、展覧会というものの再考を試みていく」ことをテーマに活動するゼミです。
 それゆえ本展では、1案に絞りそれのみを展示するのではなく、展示期間をフルにつかって、次々と3つの案を試し検証する、運動体としての展示活動を行うことにしました。101,102,103,104,105の1階全体を使う3つの案は、以下のものです。

・帯(形の観察)
・結界(風景の観察)
・対角線(大きさの観察)

これら連続的に展示する3作品のいずれも、101室、102室と、展示室に名前を与え、情報を圧縮することで失ってしまった「展示空間そのもの」への意識化を促そうとするものです。 展示には、どこにでもある安価な白い紐と市販の固定材だけが使用される予定です。中村の作品は、日常的には意識に上っていないアートテークギャラリー1階の空間全体のありよう を、個々の目と身体で捉え直す入り口を鑑賞者に提示するものです。

帯(形の観察):9/28(水)~10/8(土)12:00
帯(形の観察)→ 結界(風景の観察):10/8(土) 12:00 〜14:00
結界(風景の観察):10/8(土) 14:00 〜10/15(土)12:00
結界(風景の観察)→ 対角線(大きさの観察):10/15(土) 12:00 〜13:30
対角線(大きさの観察):10/15(土) 13:30 〜10/19(水)17:00
※入れ替え中もご覧いただけます。

【会期】
2022年9月28日(水)〜10月19日(水)(休館日:10/2、10/9、10/16)

【会場】
多摩美術大学 八王子キャンパス(東京都八王子市鑓水2-1723)
アートテークギャラリー101~105

【入場料】
無料

ただいま展覧会公式HPやTwitterでは現在進行形のゼミの様子を随時紹介しています。
公式HP:https://www.iemuraseminar.com
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連絡先:
多摩美術大学美術学部芸術学科研究室 
〒192-0394 東京都八王子市鑓水2-1723
Email: tenrankai.sekkei@gmail.com
Tel: 042-679-5627