高島屋史料館TOKYO 4階展示室にて安藤所員の監修する展覧会「まれびとと祝祭──祈りの神秘、芸術の力」が開催されます。
高島屋史料館TOKYO 主催・企画展まれびとと祝祭──祈りの神秘、芸術の力
監 修 : 安藤礼二(文芸評論家・多摩美術大学教授)会 期 : 2022年3月2日(水)- 8月21日(日)時 間 : 11:00-19:00休館日 : 月・火曜日入館料 : 無料会 場 : 高島屋史料館TOKYO 4階展示室(東京)公式HP : 高島屋史料館TOKYO
*会期中、本展を監修した安藤礼二氏(文芸評論家・多摩美術大学教授)によるセミナー(録画映像)のWeb上での開催を予定しています。
*チラシのPDFはこちら
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本展では、まれびとと祝祭を現在の視点からとらえ直してみたいと思います。古より人類は、幾度も疫病の脅威にさらされてきましたが、我々は祝祭(祭り)と、その時間的・空間的中心に現れるまれびと(来訪神)を信仰することにより、それらを乗り越える経験を重ねてきました。感染症パンデミックにより、不可避的に閉ざされた関係を強いられている現在だからこそ、改めてまれびとと祝祭に目を向け、これら根源に立ち返ることが、現状を打ち破るヒントになるのではないかと考えます。
まれびととは、民俗学者であり国文学者でもあった折口信夫(1887-1953)が提唱した概念です。折口はそれを、祭祀などに、超現実の世界から現実の世界を訪れて、またもとの世界にかえってゆくという、人間を超えた存在としています。そもそも時間や空間を一新する強大な力を持つまれびとは、もたらし/追いはらう、という両義牲を持つ存在でもありますが、それはすなわちまれびとが、異物としてもたらされた病でもあり、そしてその病を彼方へ追いはらって救いをもたらす神でもあるということを意味しています。こうした一見相矛盾する概念が同居する状況を、古代から私たちの社会が内包してきたことは、コロナ禍によって混迷した状況を、いま一度立ち止まって考察する契機にもなるでしょう。そして同時にそれは、分野を超越して一つにつなぎ合わせるという、これからの芸術表現の可能性をも示すことになるでしょう。
(公式ウェブページより)