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「渦巻の大宇宙へ」

アイルランドから日本まで、「ユーロ=アジア文明」にたどる

先史時代から私たち人間は、自然のなかに観察される驚異的な「渦巻／スパイラル／Spiral」の形に、目を見張ってきました。空の雲や水の渦、貝殻、ひまわりの花に密集する種、葡萄の蔓まで、渦巻の形に永遠の「生命力」を直観し、「文様」で表し、装身具、衣装、土器、建築や環境デザインに刻み、描き、造形してきたのです。

アイルランドでは、渦巻が線刻された巨石が先史の遺跡に残され、中世キリスト教の装飾写本『ダロウの書』『ケルズの書』には、無数にうごめく渦巻が描かれています。縄文時代の日本列島では土器や土偶に渦巻が表現されました。アイルランドと日本という「東西の極み」と、その東西1万キロをつらぬく「ユーロ=アジア世界」のさまざまな民族・時代にも、「渦巻文様」を見出すことができます。人類は、絶えざる「生命・再生のシンボル」として渦巻を「徴し続けてきた」のです。

本展では、ヨーロッパの古層を築いたケルト芸術文化、およびユーロ=アジア世界の装飾文化を「生命デザインの交流」という視点から紹介します。人間の生活を彩るすべての装飾やデザインは、永遠の生命のみなぎりを願い、それを活性化させるべく創造されてきた芸術です。21世紀の現在、私たちは真の生命力を再生させる時を迎えているのではないでしょうか。渦巻をはじめあらゆる文様・装飾の「大宇宙／マクロコスモス」に込められた「生命の光と輝き・再生への祈り」を感じ、私たち人間という「小宇宙／ミクロコスモス」に力をもたらす豊かな創造へと、つなげていただけることを願うものです。

芸術人類学研究所・所長　鶴岡真弓

展示概要

展覧会名　　　　渦巻の大宇宙（マクロコスモス）－ユーロ=アジア文明をつらぬく生命デザイン－

会　　期　　　　 2019年6月28日（金）〜 7月14日（日）

時　　間　　　　 9:00〜20:30（土曜日・最終日は17:00まで）

休館日　　　　 6月30日（日）、7月7日（日）

入場料　　　　無料

会　　場　　　　多摩美術大学八王子図書館・アーケードギャラリー

主　　催　　　　多摩美術大学芸術人類学研究所

監　　修　　　　鶴岡真弓（多摩美術大学芸術人類学研究所所長・芸術学科教授）

後　　援　　　　アイルランド大使館、日本ケルト協会、カフェ・バッハ

協　　力　　　　多摩美術大学図書館

交通アクセス

http://www.tamabi.ac.jp/access/

お問い合わせ先

多摩美術大学芸術人類学研究所
〒192-0394 東京都八王子市鑓水 2-1723

TEL：042-679-5697
Email：iaa_info@tamabi.ac.jp
URL：https://www.tamabi.ac.jp/iaa/

■展示フライヤー（PDF）

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多摩美術大学アートとデザインの人類学研究所

【展示】渦巻の大宇宙－ユーロ=アジア文明をつらぬく生命デザイン－