『芸術人類学講義』(ちくま新書)が刊行

「ライオン・マン」──今からおよそ4万年前、世界最古の動物彫刻が現生人類の手によって創られた。材料はマンモスの象牙。20世紀後半、ドイツ・シュターデル洞窟で発見された、ヒトとライオンを合体させた現実にはありえないハイブリッド・フィギュアはラスコー壁画より古い。

人類はなぜ「芸術」を欲するのか。人類は「神とともに生きる」ことを選んだ時より、「創造する種」としての歩みを始めた。

多摩美術大学「芸術人類学研究所」が新しい学問の眺望を、本書において問いかける。

 

タイトル:芸術人類学講義
編者  :鶴岡真弓
執筆者 :鶴岡真弓・平出 隆・安藤礼二・椹木野衣
出版社 :筑摩書房
刊行日 :2020年3月5日
※発売日は地域・書店によって前後する場合があります
頁数  :272ページ
価格  :本体860円+税
ISBN  :978-4-480-07289-4
URL : https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480072894/

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

 

はじめに──「芸術人類(マン・オヴ・アート)」(鶴岡真弓)

 

序 章  「芸術人類」の誕生──「根源からの思考」|鶴岡真弓

1 生命の「臨界」と芸術の「根源」

2「他者」から拓かれたアート

第1章  爆発、丸石神、グラン=ギニョルな未来 |椹木野衣

1 芸術人類学とはなにか

2 岡本太郎と「芸術は爆発だ!」

3 石子と丸石──二つの石をめぐって

4 日本列島と〈大地?〉

第2章  「ホモ・オルナートゥス:飾るヒト」──分節されない皮膚 |鶴岡真弓

1「ホモ・オルナートゥス:飾るヒト」の誕生

2「アール・デコ」と「プリミティヴ・アート」

3 シベリア「生死の皮」のインターフェース

4 反転と生命循環

5 モリスと「装飾」の古層

6 モリスと人類学

7 装飾主義:オーナメンタリズムへ

第3章  野外をゆく詩学 |平出 隆

1 遊歩による構想──ポエジーの探究

2 詩的トポスとしての小さな家──地上的次元

3 エクリチュールとしての造本──メディア的貫通

4 想像力と《インク》による書物論──物理学的

5 物の秘めたる──美術家たちの言語

6 Inversionと複素数の構造──数学的

7 Air Language──空中の本へ

第4章  「東方哲学」の樹立に向けて |安藤礼二

1 インド、神智学、近代仏教

2「翁の発生」の射程

3「国栖」をめぐって

4「如来蔵」の哲学──折口信夫の「古代」と鈴木大拙の「霊性」が出逢う

5「東方哲学」の樹立に向けて

 

あとがき──「芸術人類」の新たな旅(鶴岡真弓)

主要参考文献一覧

図版一覧

 

 

 

 

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