鶴岡所長・三保松原学文化講座「富士山と三保とケルト文化の『聖なる水/海の信仰』」講演レポート

「富士山と三保とケルト文化の『聖なる水/海の信仰』」をテーマに「水」をキーワードとして、ヨーロッパ(アイルランド、フランスなど)の歴史や風土と水との関係、そして三保松原との共通点などを探る会となりました。

「三保松原学」文化講座では、2月中旬まで世界文化遺産「三保松原」をテーマに様々な講座が計画されていますので、ご関心のある方は、ぜひこちらをご覧ください。


■開催日時:11月21日(土) 13:30~15:30

■会場:清水テルサ(静岡市東部勤労福祉センター)7階会議室

■テーマ:講演会 「富士山と三保とケルト文化の『聖なる水/海の信仰』」

司会:本阿弥 清氏 (都市環境デザイナー/現代美術研究家/当研究所・特別研究員)

 登壇者:鶴岡 真弓氏 (美術文明史家/当研究所・所長) 

■受講料:参加費無料・事前予約制

■くわしくは、こちらのURLからご確認ください。↓

http://www1a.biglobe.ne.jp/artproject/index.html

■主催:羽衣ルネッサンス協議会

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三連休の初日、会場となった静岡県清水駅最寄りの清水テルサの会議室は、満席の聴講者で埋まっていました。当研究所の特別研究員で、都市環境デザイナー・現代美術研究家でもある本阿弥清氏の司会による開催の挨拶とともに、講座が始まりました。
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※上記写真撮影:本阿弥 清氏
講座は「三保松原学」として、多様な切り口から富士山や富士山世界文化遺産となった三保松原を中心に、今までに語られてこなかった歴史文化や新鮮で魅力的な話題を広く掘り下げる趣旨で開催されています。

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鶴岡所長の講演では、まずケルトや北欧の「死生観」から始まり、古代からフランスの「水源」の信仰へと話が展開されました。そして、浮世絵にみる歌川(安藤)広重の版画絵と、現在の三保の松原周辺のエリアを俯瞰で捉えた写真との比較から、「山・海・浦のどれかではなく、総体的視点が重要であり魅力である。」という指摘とともに、「VISTA(眺望)」というべき視座をもって、自然を見渡すことで人間は新しいビジョンを再獲得する」と、壮大なスケール感のある話へと続いていきました。

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 そして、講演の中盤から後半にかけては、有名な「天女の羽衣」の説話と重ねて、「人間(漁師)は、異界からやってきた天女から贈り物を受け取っただけではなく、人間からも天女へと、何かしらの贈与が出来たのではないか」という提起がありました。

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「もしかしたら天女(異界の者)は、人間の見る大地の視点を得て天上に戻ることにより、天上と地上をつなぐ「VISTA(眺望)」を貫いたことになるのではないか。『天女の羽衣』が伝える物語りは、人間と異界の者とが出逢い交歓し、離れ、合一する物語りとして、再度捉え直すことが出来るのではないか」という大きな流れで講演は結ばれました。

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上記写真撮影:本阿弥 清氏

年明けの2016220()には、「三保松原学シンポジウム」が開催され、シンポジウムの第2部トークディスカッションでは鶴岡所長が登壇いたします。詳しくは、下記パンフレットをご覧ください。

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