ダウンズタウンに向けて

アトリエ・エレマン・プレザン 佐藤よし子

ダウン症の人たちと暮らしたら楽しいだろうなぁ、といつの頃からか思うようになった。
とにかく一緒にいると心地がいい。風をつかまえたり、花や雲と話せる彼らといると、人間も自然の一部だったということを強烈に思い出す。こんな素敵な人達と、自然の中で絵を描いたり、畑を作ったり、お料理を作ったり、のんびりと生きていけたらどんなにいいだろう。ダウン症の人たちが中心となっている場「ダウンズタウン」。そこには彼らのアトリエや、彼ら自身のデザインした住居が点在しながら、中心にはダウンミュージアムがあり、作品が常設されている。カフェやレストランではダウン症のウェイターやウェイトレスがいて、ちょっと立ち寄ったサラリーマンやOLをゆっくりと癒してくれる。敷地内にはお年寄りもいるといい。畑仕事や料理を教わりながら、お互いに成長していく。バリバリと働ける人達には、ダウンデザインの建物、家具、洋服、などなどを形にしてほしい。というような夢を10年以上思っていた。

彼らの存在、文化、そこから生まれてくる作品の魅力、そして彼らから感じる未来のヴィジョンを、もっと広く発信すべきだと思っている。
「ダウン文化」は、きっと多くの人にとって何かしらの心地よいヒントを与えることとなるだろう。世界中から集まったダウン症の人たちと、様々な人達が混ざり合ってダウンズタウンから新しい調和の文化が生まれることを願って。

 

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