芸術人類学研究所の「野外をゆく詩学」部門では、
これまでもさまざまなかたちで講座や研究会を開催してきましたが、
この度、同研究所を会場とする初めての公開研究会を開きます。
講師:
◉三松幸雄(哲学・現代芸術/明治大学・多摩美術大学)「──閾: 声、生 … 零度の詩文、あるいは非‐詩学」
近代国語学の周辺で定式化された〈詞/辞〉の対概念や、実験音楽におけるsilenceの位相、現代美術におけるready-madeの手法などを参照しつつ、言葉の閾で不断に生成しつつある「詩」のありようを捉え、その「作品」を提示する。文学的なものの発生の場へとあらためて立ち返り、別の道をさぐる試み。
◉宮田浩介(英語・英米文学/多摩美術大学)「星野道夫とアレックス・マッカンドレス: 食べ、食べられる者としての人間をめぐって」
アラスカに暮らしてきた人々の伝承世界に足を踏み入れた星野道夫のストーリーテリングと、ソローらの著作を読みながらアラスカで単独自給生活を試みた青年アレックスの発見について。
◉澤直哉(ロシア文学/早稲田大学)「書架と階梯──マンデリシタームにおける書物・生物・言葉」
生前最後の書物の出版をまたぐ五年間の詩作の沈黙を経て、アルメニアへの旅と生物学者との交流をきっかけに詩作へと回帰するマンデリシタームの詩篇「ラマルク」から、その書物・生物・言葉をめぐる思考に橋を架ける。
司会:平出隆(詩学/多摩美術大学)
2018年1月19日(金)16時30分〜18時30分
会場:芸術人類学研究所(多摩美術大学八王子キャンパス・メディアセンター4F)☞アクセス
入場無料/予約不要(入場時記帳)
満員の場合、ご入場をお断りすることがあります。