学科紹介
日本一の学生数を誇る油画専攻は、建学以来いつの時代もムーブメントの先頭に立ち新たな価値を社会に発信し続け、既成概念を超える創造性を発揮する人材を数多く輩出してきました。作家、美術教師、研究者など、創作活動に関わる進路を選ぶほか、油画専攻で培った多様な表現力を生かして、広告制作、ゲーム、アニメーション、映像、テレビ、舞台美術など幅広い分野に進み、活躍の場を広げています。 油画専攻での学びは、創作活動のための高度な技術習得を基礎に、さまざまな技法を学べる技法講座や、定期的に実施される講評会でのプレゼンテーションスキル開発などを通して、主体性と判断力を養いながら、表現者としての自立を促すことを主眼においています。また、学芸員・批評家・作家を招待した特別講義なども数多く実施し、幅広い視野と教養を身につけると同時に、創作活動における審美眼を培います。
自主的な活動をする学生が多く、学外出展、公募出展のほか、自主企画による展覧会なども行う風土があります。この場で、交渉力やコミュニケーション力、プロデュース力などを鍛えることができ、社会進出後の多様な場面で生かせるキャリアを培います。
3つのポリシー
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
絵画学科油画専攻は、建学以来いつの時代においてもそれぞれのムーブメントの先頭に立ち、絵画や美術表現の新たな価値を社会に発信し続けています。これまでの概念では対応することのできない、時代を超えた新たな創造活動に挑戦する人材の育成を目指しています。
もっとも根源的な芸術表現の一つである絵画は、人類史のなかで脈々と息づき、さまざまな創造活動において重要な役割を担ってきました。
絵画の歴史を継承することは、無自覚に過去への追随や容認をすることではなく、既成の概念に対して、常に疑問を持ちながら自由で独自な表現を探求し、新たな価値や可能性を更新し続けることであると考えます。
さまざまな価値観が混在する現代において、絵画表現の可能性を探ることはもとより、その拡張を求めることも必然であり重要な課題です。また、それは絵画表現にとどまらない自由で横断的な、ラディカルな表現世界の創出につながります。
油画専攻は、美術学部の教育研究上の目的に定める人材を養成するために、絵画の造形力や思考力を基礎に制作と真摯に向き合い、「自らの表現ができ、主体性と批判力を持って、持続的に制作に取り組める力」、そして「既成概念にとらわれず、多様な表現で新しい美を創造できる力」、さらに「自らの表現に喜びを感じ、作品を通して広く社会に貢献する自覚と責任感」を身につけられた学生に、学士(芸術)の学位を授与します。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
絵画学科油画専攻は、ディプロマ・ポリシーで示した方針を学生が達成できるよう、教育課程(カリキュラム)を体系的に編成・実施します。
1・2年次の基礎教育のうち、1年次の導入教育では、課題ごとにその背景となる理論や知識の講義も行い、実技と理論の両面から絵画・造形領域の基礎を学びます。2年次からは学生の自主性を重んじ、選択したそれぞれのアトリエで異なる課題に取り組みながら、独自の表現を探求します。さらに、課題提出のたびに実施される批評会を通じて、自らの考えを言語やさまざまな表現様式によって他者に伝えるプレゼンテーション能力も高めます。
3年次からはじまる応用教育では、それぞれがテーマを設定し、「自己の表現とは何か」をより深く追求します。また、学内ギャラリー展示などを通して、広く社会に向けて作品を発表する力を養うとともに、学外での研修も行い、幅広い知識の吸収と研鑽に努めます。
4年次においては、引き続き複数の教員による多角的な視点からの指導を受けながら、それまでの研究成果を「卒業制作」として結実させ、自立した表現者としての意識の確立を4年間の最終的な目標とします。学内及び学外のギャラリーで卒業制作展を開催し、その成果を発表します。
学修の成果を評価するにあたっては、あらかじめ明示した成績評価基準にもとづき、厳格な成績評価を行います。さらには、その結果を活用して、教育方法の改善につなげていきます。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
絵画学科油画専攻は、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーにもとづく教育方針等を踏まえ、絵画や造形する喜びを感じ、自ら課題を設定し、主体的にその課題を解決するために努力をする人。そして、ともに学ぶ友人と切磋琢磨し、その人でなければできない独自な表現を目指す皆さんを積極的に受け入れたいと考えています。
油画専攻では、絵画および造形の基礎的な能力について、真摯に対象を観察し、また自らを含めた世界とどのように対峙しそれを絵画として表現できるのか、専門試験および学科試験によって総合的に評価します。しかし、それは入学試験のためだけに準備されたテクニックの成熟度を見るのではありません。受験生がその時々の出題に対し、自らの判断と思考によって、表現のために挑戦し、新たな発見への努力をしているかどうかに注目しています。つまり、それは入学前の能力だけではなく、入学後、または生涯にわたり持続的に制作を続けられる表現者に必要な素養、あるいは4年間の学びの後、多様な職種や生活環境のなかで、オリジナリティを持った自己表現のもとで自立していくことができるのか、それらの可能性を重視して評価しています。
日頃から優れた美術作品の鑑賞や、他者とのコミュニケーションも重要な学びです。そして美術表現がさまざまな社会のなかで、創造する力の一つとして機能するよう、ともに考え、学ぼうと希望する皆さんを求めます。