【開催報告】展覧会「渦巻の大宇宙」実施報告書

 

 

展覧会「渦巻の大宇宙–––ユーロ=アジア文明をつらぬく生命デザイン–––」実施報告書

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Photo by Yusuke Tsuchida


 

2019年6月28日から7月14日にかけて、多摩美術大学芸術人類学研究所は、展覧会「渦巻の大宇宙(マクロコスモス)­——ユーロ=アジア文明をつらぬく生命デザイン——」を、多摩美術大学八王子図書館・アーケードギャラリーを会場に開催いたしました。15日間の会期中には、学内外から約3,600人に及ぶ多くの皆様にご来場いただき、盛況のうちに無事終了することができました。

 

本展では、ヨーロッパの古層を築いたケルト芸術文化とユーロ=アジア世界の装飾文化を「生命デザインの交流」という視点から紹介しました。先史時代から「生命・再生のシンボル」として民族・地域・時代を越えて表現されてきた「渦巻文様」をはじめ、「動物文様」「植物文様」「幾何学文様」「組紐文様」「人型文様」を取り上げ、住居、装身具、衣装、工芸品などの実物資料78点を中心に、写真、映像などを加え展示しました。会期中には、多様な分野からゲストを迎えたトークイベント、講演会、ミニライブを実施し、ご来場いただいた多くの方々にさまざまな「文様/装飾の表現」を通じて「生命のかたち・デザイン」を徴(しる)す人類の営みに触れていただく機会となりました。

 

このたびの展示は、昨年、本学アートテーク・ギャラリーにて開催した展覧会「はじまりの線刻画——アイルランド・スカンジナビアから奄美群島へ——」に続き2回目となる大規模な主催展でした。本学図書館の協力により、アーケードギャラリーだけでなく閲覧室1・2階の一部を展示会場とするなど、研究所と図書館にとっていくつか新しい試みがありました。また、本学学生による展覧会サポーターは昨年以上に幅広い活動をおこない、本展の成功に大きく貢献してくれました。芸術人類学研究所は、今回の展覧会で得ることのできた成果と課題を活かし、今後も学内外とのさまざまな連携によって、人類のあらゆる創造を刺激する多彩な活動と発信をおこなってまいりたいと考えております。

最後になりましたが、ご来場いただきました皆様をはじめ、本展の実現のために多大なるご支援、ご協力を賜りました関係各位に心より御礼申し上げます。

 

2019年10月

多摩美術大学 芸術人類学研究所