29 6月 

7月休館日のお知らせ

Posted by CMTEL  |  2016/06/29 17:30

7月の休館日をお知らせします。

土曜:2、9、23、30日

日曜:3、10、24、31日

祝日:7月18日(月) 海の日

その他:7月14日(木)、7月15(金)

長期休館:前期平常授業終了のため8月6日(土)〜9月4日(日)まで閉館となります。後期は9月5日(月)より開館致します。

7月16日(土)17日(日)オ–プンキャンパスの開催のため開館いたします。

施設公開の他、樹脂を使って多摩美マークの指輪を作る体験ができる
ワークショップ多摩美リングを作ろう!とCMTELで展示中の素材を使用した
ネックレスづくりや漆喰塗りなどを体験できるCMTEL MATERIAL FACTORYを開催します!

詳しくはこちら→オープンキャンパス2016開催概要

その他、メディアセンターでは様々な展示、施設公開、ワークショップが開催されますので
ぜひお立ち寄りください!

27 6月 

EVENT REPORT!「トレンドセミナー」

Posted by CMTEL  |  2016/06/27 14:41

こんにちは、CMTELです。今回は5月27日に行われたトレンドセミナーのイベントリポートです。
TREND UNIONさんより家安 香氏を講師として招き、昨年に引き続き今年もセミナーを開催。実際にトレンドブックを閲覧しながらトレンド予測の必要性やその背景の説明を行いました。
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●トレンドブックとは?
社会背景の分析やリサーチを行い、それに基づいて1年半から2年半先のトレンドを予測し作られたブックです。詩的なキーワード、カラー、美しいヴィジュアルで構成されており、デザインしたり構想を練るために必要かつ役立つ情報が詰まっています。そして貴重なファブリックサンプルも多数添付されており、実際に触れることができます。全てのページがインスピレーションの源になっている貴重なブックです。

●TREND UNION(トレンドユニオン)とは?
パリを本拠地にして、トレンドに関する情報発信を行っています。キーワード、カラー、テクスチャーなどトレンドを知る上で大切な情報をブックにまとめ発行。また、世界各地で年2回セミナーも開催しています。TREND UNIONは、人間本来のもつクリエイティビティーを信じ、その「自然の欲求」が向かう先を繊細かつ大胆に捉えている全10種類のトレンドブックを年2回発行しています。


●セミナーの様子

1.講義
「トレンドは誰かが作るもの?」
一般的に『トレンド』という言葉はファッションの世界においての”流行り”という意味で使われがちです。またトレンドは”誰かによって作られるもの”と言われます。しかしこれらは間違った概念です。

人の価値観や興味は、その人の置かれている環境に影響を受けます。身近な例を挙げると、ここ数年スニーカーを履いている人を見かける機会が多くなりました。通勤する人達でさえスニーカーを履いていることは珍しくありません。

この現象のきっかけの一つとなったのは東日本大震災。帰宅困難者で街は大混乱になりました。歩きやすく疲れない靴を求めて、とあるスポーツブランドショップではスニーカーが売り切れたそうです。この時不安な気持ちから人々が靴に求めたのは機能性でした。機能性に優れた素材・デザインのモノを持つことで安心感を得たのです。
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また日本だけではなく、地球規模でも様々な異常気象が頻発しています。予知できない災害に対する不安な気運が高まる中、人は不安な状況を少しでも改善しようと行動します。これは自然な心のはたらきです。こういった状況下で、人が求めるモノはどんな素材で作られているべきでしょうか?まさしくこれらの情報が『トレンド』なのです。
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自然な心のはたらきを反映したトレンド情報は、こういった理由からファッション業界に限らず金融業界や流通業界など様々な場面で影響を及ぼし形となって現れます。実際にトレンドユニオンさんのクライアントには銀行や食品メーカーもいるそうです。トレンドユニオンさんの商品は、世の中の一人一人の微妙な心の動きを読み、2年後・3年後その動きがどうなっているのかを考える世界規模の未来予測なのです。


「トレンド予測がなぜ必要なのか」

講義では”お茶のデザインをすること”を例にしたお話がありました。この場合に、いきなりペットボトルやロゴのデザインをするだけでは、意味がなく表面的なデザインになってしまいます。人がいつどこでなぜお茶を飲みたいのか、人の心理にまで掘り下げた『トレンド予測』(=人間研究)をすることで、お茶をデザインすることの意味が変わってきます。
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家安氏は講義の中で”デザインは形や色を設計することではなく、その商品が人生にどのような影響を与えるのかを考えること”ととても印象的な言葉を学生に投げかけました。トレンド予測はモノを作る前には欠かせないプロセスなのです。


2.トレンドを具現化したオーディオビジュアルの上演
トレンドのイメージを感覚的に表したオーディオヴィジュアル(音と映像)の上映です。ここでは実際上映している様子は載せられないのですが、美しい写真に合わせて流れる音楽は歌詞もその場面に合ったものを選曲しているのだそう。


3.ブックの閲覧
セミナーでは普段CMTELには無い様々なジャンルのブックを13冊見ることができました。セミナーで流したオーディオヴィジュアルとリンクしているGENERAL TREND(CMTEL所有)、建築と人についてのARCHITECTUREやプロダクトやインテリアのヴィジュアルが豊富なLIFESTYLEなど幅広いジャンルのブックがあります。

今回取り揃えたのは最新の2017-18秋冬と現在の2016春夏のブック。今と未来を見比べることができます。更にその2シーズンの間に発行されたブックも一部ジャンルをディスプレイ。
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添付された珍しいファブリックに興味深々です。どのブックも装丁のデザインが凝っていて次から次に手が伸びます。ポートフォリオの参考にもなりますね。
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4.質疑応答
講義後に家安氏のもとへ学生達が集まっています。彼らはプロダクトやテキスタイル、グラフィックや工芸などそれぞれに別の専攻をしている学生達です。彼らからは普段制作を通して考えていることや将来のことなど様々な意見、質問が寄せられていました。
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その中で、ブックでのフォントの使い方についての質問がありました。2017-18 秋冬のメインテーマである「肉体労働への愛」。無骨でダーティーな写真にはスマートで洗練されたフォントが使用されており、その点を”意外ですね”と尋ねる学生がいました。「労働」が力強く粗っぽいイメージだからこそ、あえてフォントは線の細いものを使用したのだそう。そうすることで「労働」を崇高で品格のあるものに昇華し、それを賛美する今シーズンのメインテーマを表現しています。
文字写真

自分の質問が終わった後もその場を離れずに、別の学生と家安氏の会話に聞き入る学生も多くいました。講義の最中同様、家安氏からの核心を突く多くの言葉を逃すまいと必死にメモをとり続ける姿が印象的でした。
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多摩美でのセミナーは(今回を含めて)年内に2回開催されます!今回のセミナーを楽しんでくれた方や今回参加を逃してしまったという方、後期開催予定のセミナーに是非参加してください!

またCMTELでは GENERAL TREND 2017-18 秋冬 GENERAL TREND 2017 春夏 常時展示しています。美しい写真と豊富な種類のファブリックを、見に触りにお越しください。また、トレンド情報について詳しい内容の書かれた日本語訳の解説ブックも付いています。

※今回のセミナーはTREND UNIONさんにご協力いただきました。
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26 5月 

6月休館日のお知らせ

Posted by CMTEL  |  2016/05/26 15:41

こんにちは、6月の休館日をお知らせいたします。

土曜:4、11、18、25日

日曜:5、12、19、26日

その他:15日(水)、16日(木)はワークショップ開催のため閉館いたします。

また、6月はワークショップの開催等にともない、一部開館時間の変更があります。

●  6日(月):10:30〜14:30(短縮開館)

●14日(火):10:30〜15:00(短縮開館)

●17日(金):13:30〜17:00(短縮開館)

●20日(月):10:30〜15:00(短縮開館)

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6月15日(水)、6月16日(木)に開催される
ワークショップ「樹脂成型・多摩美リングを作ろう」についての詳細はこちら

17 5月 

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今年度最初のワークショップは「樹脂成型」です。
内容は樹脂の扱い方から注型制作の基本、シリコン型の制作方法等、樹脂の使用方法・成型方法について、ホビーキャスト(樹脂)を使った実演・実習を行いながらレクチャーします。また併せて透明な樹脂やスポンジのような成型材料など、各自で取り扱うことができる材料もたくさん紹介!

実習では、多摩美のロゴをモチーフにした通称『Tamabi Ring』を制作します。出来上がった指輪は、もちろんお持ち帰りいただけます!

今回のワークショップの内容は、覚えれば各自で制作可能な技術ですので、制作にも役立ちます。この機会にぜひ樹脂注型技術を習得してください!

【ワークショップ概要】
●開催日時:2016年6月15日(水) ・ 16日(木)
①14:00〜 ②15:10〜 ③16:20〜 ※両日ともに全3回/各回約1時間/定員入れ替え制
●募集対象:多摩美術大学全学生
●募集定員:各回定員30名/各回定員入れ替え制
※先着順/定員になり次第、募集を締め切ります。
●場所:CMTEL(八王子キャンパス・メディアセンター2F)
●参加費・材料費:無料
●服装:汚れてもいい作業着やエプロン
●講師:日新レジン株式会社 より
戸丸 氏  目黒 氏  山本 氏

【応募方法】
●八王子校舎の学生は、メディアセンター2F CMTELにて直接申し込み手続きをしてください。
※来館の際には、学生証を持参してください。

●上野毛校舎の学生は、メールにて受け付けます。
cmtel@tamabi.ac.jpまで、以下10項目を明記し送信してください。件名に「ワークショップ参加希望」、学部/学科/学年/学籍番号/氏名/フリガナ/希望日/希望回/電話番号

以上、皆さんの参加をお待ちしてます!!

※このワークショップは、サポート企業・日新レジン株式会社様にご協力いただいております。

日新レジン ロゴ

09 5月 

NEW MATERIAL!「Ultrasuede」

Posted by CMTEL  |  2016/05/09 17:40

こんにちは、今回は ウルトラスエードをご紹介します。
現在展示中のサンプルは東レ株式会社さんにご協力いただいています。
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●スエードとは
皆さんご存じの通り、スエードとは動物の革などの内側をサンドペーパーでやすり起毛させた革のこと。スエード生地は汚れやすく雨にも弱いため、普段のお手入れが欠かせません。

●ウルトラスエードとは

一般的な上記のスエードに対して、ウルトラスエードは化学繊維でできた”人工皮革(じんこうひかく)”という種類に属します。表面は繊維が起毛されているため、天然スエードのような風合いと肌触りが特長です。
ここからはウルトラスエードを”特長・機能”、”豊富なカラーバリエーションと厚さ”、”後加工の自由度の高さ”の3つの側面から掘り下げます。

1)特徴・機能
【 天然スエードと同じ構造】
本革が3層で構成されているのと同様、ウルトラスエードも3層構造です。特に表層は超極細繊維で覆われ精密に起毛されているため、造り・外観ともに本革スエードによく似ています。また、フェルトの様に繊維が立体的に絡み合う”3次元不織構造”をしているため、切りっぱなしでもほつれません。本革のおよそ半分の重さなのも特徴で、様々な製品を軽量化することができます。
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【上質な素材感】
ソフトでなめらかな肌触りです。独自の方向性を加えた毛羽を表面に入れることで、高級スエード特有の指で文字や模様がかけるフィンガーマーク効果を生み出しています。
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【用途の多彩さ】
ウルトラスエードの持つ高いファッション性と機能性から、ファッションの世界からインテリア、自動車や航空機の内装、機器の部材などライフスタイルだけではなく様々な分野で使用されています。

【お手入れが簡単な高いメンテナンス性】
シワになりにくく、型崩れしにくいため、家庭用洗濯機で洗うことが可能です。これはウルトラスエードがポリエステル繊維で作られているためです。また、汚れたり雨に濡れたりしても乾けば元の風合いになるので、デイリーユースも可能。

【環境対策への取り組み】
ウルトラスエードの製品ラインナップの一部に使用されているポリエステルのうち30%は植物性由来(サトウキビ)の成分で作られています。残り70%は現時点では石油由来の成分でできていますが、近い将来100%植物性由来ポリエステルで作るための技術開発を進めています。

2)豊富なカラーバリエーションと厚さ
1.10mm厚の生地(HP)では100色近い色数があります。ウルトラスエードを形成するポリエステル・マイクロファイバーは、900kmの長さで1gにも満たない驚異的な細さの繊維です。こういった超極細繊維は、染めるのが難しいとされていますが、東レさん独自の染色技術によって鮮やかな色味から淡い色味、蛍光カラーまで多彩なカラーバリエーションがラインナップされています。
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厚さは0.43mm~3mmまでで16種類以上あります。ウルトラスエードはニードルパンチ(多数の針がついた剣山の様な道具で刺し、繊維同士を絡める製法)で作られています。ニードルパンチでないと、これだけの厚さの人工皮革を作ることはできません。この製法を用いてこれだけの豊富なバリエーションを持っているのは東レさんだけです。
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3)後加工の自由度の高さ
箔・型押しなどの伝統工芸的な表面技法はもちろん、最先端のデジタルテクノロジーによる印刷やレーザー処理まで多様な後加工が可能です。以下ではそのバリエーションをご紹介します。

【貼り合わせ加工】
ウルトラスエードは貼り合わせることができます。
貼り合わせ

こちらは2.0mm~3.0mmの生地を何層にも重ね、貼り合わせたブロックです。ウルトラスエードは繊維をフェルト状のシートに加工した後に染色するのですが、高い染色技術によって厚みのある布地の裁断面もムラなく均一に染まっていることがわかります。
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パーフォレーション】
丸型に穴あき加工したウルトラスエードに、透け感のあるオーガンジーを貼り合わせています。切りっぱなしでもほつれない3次元不織布構造ならではの加工ですね。
※パーフォレーションとは、用紙の切り取り線や切手のフチ周りのような一定間隔で抜かれている穴のこと。
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【インクジェットプリント】
インクジェットプリントされたチェック柄のウルトラスエード。鮮やかな色合いが綺麗にでています。
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【箔プリント】
加工したメタリック感のある部分とウルトラスエードのマットな質感の対比がきれいです。
箔プリント

エンボス】
エンボス加工を施した生地には、箔加工とはまた違ったさりげない柄感が出ます。見る角度によって柄の見え具合が変わるため、奥行きのある上品な印象のテキスタイルに。
※エンボス加工とは、凸板と凹板の間に布や紙などの材料を挟んで型押しをすることで表面に凸凹を作る加工方法。
ウルトラ_エンボス

【3Dエンボス】
ウルトラスエード2枚の間にスポンジを挟み丸いエンボス加工をしたものです。ぷくぷくとした起伏がうまれ、立体的なテキスタイルになります。
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上にあげたもの以外にも、色×厚み×加工技術で表現の可能性は無限大です。まだまだ多様な組み合わせ、種類の生地があります。なお、ウルトラスエードは厚さ0.63mmと1.1mmのものをCMTELを通して個人で購入することも可能。ウルトラスエードを使った洋服やインテリアなどの制作に活かせそうですね。現在、東レさんから配布用のサンプルをいただいております。興味がある方やサンプルを希望する方、詳しくはCMTELまでお問い合わせください。

TORAY(BLUE)-[更新済み]