31 1月 

こんにちは、CMTELです。今回は、2018年11月26日(月)に開催した「マテリアル説明会」のイベントレポートです。

今回は、ステンレスメッシュを製造しているアサダメッシュ株式会社様(以下敬称略)をお招きしました。極細のステンレス繊維で織られたメッシュは、オーガンジーの様に薄く柔らかくしなやかで、従来の金属のイメージを覆すような存在感です。光との相性も良く、メッシュ越しに光源を見るとプリズムが起こるのも特徴。本来の用途は、フィルターやふるいですが、インスピレーションを刺激する興味深いマテリアルです。

会場ではステンレスメッシュを使った照明「QUARTZ LAMP」や、種類豊富なメッシュを展示。メーカーのご担当者だからこそ知る、製造のプロセスや専門的知識を直接伺える貴重な機会となりました。

【開催概要】

●日 時:2018年11月26日(月)16:20~17:20
●場 所:八王子校舎 メディアセンター2F CMTEL
●ご協力:アサダメッシュ株式会社 林氏 熊田氏
●対 象:多摩美術大学 全学部学科学生

【説明会の様子】
ステンレスとは?
「ステンレス」とは、Stainless Steel(錆びない・錆びにくい鋼)という意味。鉄を主成分(50%以上)とし、クロムを10.5%以上含む錆びにくい合金。耐食性・耐熱性・加工性・強度に優れています。

アサダメッシュ株式会社では、極細の金属線を用いた様々な細かさの織物を製造しています。その中でももっとも細かいものは「977メッシュ」。世界で一番細かいメッシュとされています。(メッシュ数は細かくなればなるほど数字が大きくなります。茶こしが30メッシュなので、いかに細かいかがわかりますね)

977メッシュがどの位の細かさかというと、1cmの幅の中に髪の毛の1/6の太さのステンレスの糸が384本入っているということになります。とてもミクロなスケールで精巧に織られたメッシュですね。ちなみに、これほど細い繊維を織るにはやはり手間も時間もかかります。製品の中には、24時間かけて織っても50cmしか織れないようなメッシュ(1×1mあたりの価格約60万円程度)もあるのだそう…。

ステンレスメッシュの用途
主に3つの用途で使われています。

①スクリーン印刷
Tシャツや紙への印刷で用いられるシルクスクリーン※と同じ仕組みを用いて、電子部品(積層セラミックコンデンサー)や太陽電池、タッチパネルの印刷にステンレスメッシュが使われています(ステンレスメッシュ自体が部品になるわけではなく、部品を作る印刷の資材として)。

電子部品においては、導電性のインクをプリントし、電子回路などを作ることがあるのですが、プリントが少しでもにじんでしまうと製品にはなりません。また、ステンレスの繊維は伸びないので、印刷精度が高いのも電子部品の印刷に用いられる大きな理由の一つです。
※シルクスクリーンとは…印刷技法の一種。メッシュ状の版に孔(あな)をつくり、孔の部分にのみインクを通してプリントをする方法。

②ふるい
様々な粉のふるい分けにもメッシュは使われています。インクが粉状になっている「トナー式」と呼ばれるレーザープリンターのインクも、ふるいにかけられ、粒子の細かさを均一にするプロセスを経て製品となります。

③フィルターでの濾過(ろか)
船舶や車両の中のフィルターとしてステンレスメッシュが使われています。製造後のこまめなフィルター交換が難しい工業製品において、ステンレスメッシュの高い耐食性・強度が有用とされています。

ステンレスメッシュの特徴
・均一に穴が開いている
・水、光、空気が通る(=音が通る)
・耐食性がある
・強度がある
・不燃
・溶接が可能(荒いメッシュの場合)
・導電性がある

これに加えて、アサダメッシュ株式会社製品の特徴は以下の通りです。
・軽い
・薄い
・箔のような光沢がある
・オーガンジーのように柔らかい

ステンレスメッシュのメリット・デメリット
メリット

①縫うことができる
ステンレス繊維を薄いシート状に広げ、その上からミシンステッチをかけてシートの形状をキープしています。これ以外にも舞台衣装の素材として、ステンレスメッシュが採用されたことがあるそうです。

②折り紙のように折り目を作ることができる
手で簡単に折り目もつけられます。

③ハサミなどで簡単にカットができる
薄いコピー用紙を切る程度の握力で、簡単にカットが可能です。

④メッシュ越しに光源を見るとプリズムが起きる
ナイロンやポリエチレンなどのメッシュでは起きないのですが、ステンレスのメッシュを通して光を見ると、光が虹色に拡散します。説明会の中では、光源をメッシュ越しに覗く実験も行われました。プリズムの起きている状況が写真では捉えられないのでここには載せていません、気になる方はCMTELでぜひご覧くださいね。

デメリット
①鋭利なものが刺さると裂ける
テンションをかければ、端から手でも裂くことができます。あえて手で裂くことを前提にしたパッケージなど、紙やフィルムの代わりに使用すると面白い作品ができそうです。

②一度跡がついたら取れない(シワになりやすい)
手で伸ばしてもフラットには戻りませんが、くしゃくしゃのメッシュに入ったハイライトも魅力的です。

③何度も折り曲げたりすると金属疲労を起こす

④裁ち落としした部分の繊維が刺さりやすい
繊維自体の太さが大きくなってくると、端に出た繊維が多少チクチクします。

サンプルに触れながらのQ&Aタイム
プロジェクターを使って、メッシュに光を当てる実験を始める参加者も。

メッシュに光を当ててみると、映像は投影されつつ、メッシュの裏側にある物にも透けて二重に映し出されました。光を通すメッシュならではの面白い現象が見られました。また、ステンレスメッシュは水に強いため、屋外の投影での雨の心配がありません。

ブースに展示された様々な細かさのメッシュを手で触って見る学生たち。普段CMTELには置いていないものもご用意いただきました。

ステンレスメッシュをシェードとして用いたQUARTZ LAMP。写真では伝わりづらいのですが、中の光源が乱反射することで複雑な視覚効果を生みます。

今回の説明会でインスピレーションを受け、素材への探究心が刺激された学生もいたようです。学生たちの制作にどのような新たなアイデアが湧き出るかとても楽しみです。

アサダメッシュ株式会社のステンレスメッシュはCMTELにて展示をしており、実際に素材に触ることもできます。今回参加できなかった方もぜひCMTELに足をお運びください。

※今回のイベントは、下記企業様にご協力いただきました。
アサダメッシュ株式会社

19 11月 


こんにちは、CMTELです。11月26日(月)に、マテリアルメーカーにお越しいただいての「マテリアル説明会」を開催します。

今回は、ステンレスメッシュを製造しているアサダメッシュ株式会社様をお招きします。極細のステンレス繊維で織られたメッシュは、オーガンジーの様に薄く柔らかくしなやかで、従来の金属のイメージを覆すような存在感です。光との相性も良く、メッシュ越しに光源を見るとプリズムが起こるのも特徴。本来の用途は、フィルターやふるいですが、インスピレーションを刺激する興味深いマテリアルです。

メーカーのご担当者だからこそ知る、製造のプロセスや専門的知識を直接伺える貴重な機会です。また、ステンレスメッシュを使った照明「QUARTZ LAMP」も展示。ぜひ皆様のご参加をお待ちしております!


【開催概要】

●日 時:2018年11月26日(月)16:20~17:20
●場 所:八王子校舎 メディアセンター2F CMTEL
●ご協力:アサダメッシュ株式会社
●対 象:多摩美術大学 全学部学科学生
●ご注意:入室の際は学生証をお持ちください作業着での入室・飲食物の持ち込みできません
●申し込み方法:CMTEL(cmtel@tamabi.ac.jp)までメールにて、もしくはご来館にて。

CMTELでは只今マテリアルの展示も行っています。ぜひ見に触りにお越しください。

21 9月 

EVENT「試作用素材サンプル 配布イベント」

Posted by CMTEL  |  2018/09/21 11:29


こんにちは、CMTELです。10月1日(月)〜3日(水)に、「試作用素材サンプル 配布イベント」を開催します!

普段から CMTELでは、数々のマテリアルメーカーから提供された素材サンプルを、試作用に配布しています。 今回のイベントではその内の4社(以下順不同 東レ株式会社様、ウルトラファブリックス・ホールディングス株式会社様、有限会社和晃プラスチック様、SOLIZE Products 株式会社様)をピックアップし、素材サンプルを学生の皆さんに配布します。(一部CMTELのストックしていた端材等も配布)

【開催概要】
●日 時:2018年10月1日(月)2日(火)3日(水) 10:30〜16:30
●場 所:八王子校舎 メディアセンター2F CMTEL
●対 象:多摩美術大学 全在学生
●ご注意:入室の際は学生証をお持ちください作業着での入室・飲食物の持ち込みできません。上限は1人につき1日3点まで。配布物が無くなり次第終了します。
●お願い:今回配布する素材を用いた作品の画像の画像を常時募集しています(任意)。ご協力いただける方はCMTEL(cmtel@tamabi.ac.jp)までご連絡ください。

【配布するものについて】※順不同
●スエード調 人工皮革  Ultrasuede® (東レ株式会社様)
●湿式ポリウレタンレザー (ウルトラファブリックス・ホールディングス株式会社様)
●立体3次元プラスチック PlaRain® (有限会社和晃プラスチック様)
●3Dプリント サポート材 (SOLIZE Products株式会社様)

なかなか手に入らない珍しい素材もありますので、ぜひお越しください。

09 5月 

NEW MATERIAL!「Ultrasuede」

Posted by CMTEL  |  2016/05/09 17:40

こんにちは、今回は ウルトラスエードをご紹介します。
現在展示中のサンプルは東レ株式会社さんにご協力いただいています。
ウルトラスエード_1

●スエードとは
皆さんご存じの通り、スエードとは動物の革などの内側をサンドペーパーでやすり起毛させた革のこと。スエード生地は汚れやすく雨にも弱いため、普段のお手入れが欠かせません。

●ウルトラスエードとは

一般的な上記のスエードに対して、ウルトラスエードは化学繊維でできた”人工皮革(じんこうひかく)”という種類に属します。表面は繊維が起毛されているため、天然スエードのような風合いと肌触りが特長です。
ここからはウルトラスエードを”特長・機能”、”豊富なカラーバリエーションと厚さ”、”後加工の自由度の高さ”の3つの側面から掘り下げます。

1)特徴・機能
【 天然スエードと同じ構造】
本革が3層で構成されているのと同様、ウルトラスエードも3層構造です。特に表層は超極細繊維で覆われ精密に起毛されているため、造り・外観ともに本革スエードによく似ています。また、フェルトの様に繊維が立体的に絡み合う”3次元不織構造”をしているため、切りっぱなしでもほつれません。本革のおよそ半分の重さなのも特徴で、様々な製品を軽量化することができます。
4.-structure

【上質な素材感】
ソフトでなめらかな肌触りです。独自の方向性を加えた毛羽を表面に入れることで、高級スエード特有の指で文字や模様がかけるフィンガーマーク効果を生み出しています。
ウルトラ_触る02

【用途の多彩さ】
ウルトラスエードの持つ高いファッション性と機能性から、ファッションの世界からインテリア、自動車や航空機の内装、機器の部材などライフスタイルだけではなく様々な分野で使用されています。

【お手入れが簡単な高いメンテナンス性】
シワになりにくく、型崩れしにくいため、家庭用洗濯機で洗うことが可能です。これはウルトラスエードがポリエステル繊維で作られているためです。また、汚れたり雨に濡れたりしても乾けば元の風合いになるので、デイリーユースも可能。

【環境対策への取り組み】
ウルトラスエードの製品ラインナップの一部に使用されているポリエステルのうち30%は植物性由来(サトウキビ)の成分で作られています。残り70%は現時点では石油由来の成分でできていますが、近い将来100%植物性由来ポリエステルで作るための技術開発を進めています。

2)豊富なカラーバリエーションと厚さ
1.10mm厚の生地(HP)では100色近い色数があります。ウルトラスエードを形成するポリエステル・マイクロファイバーは、900kmの長さで1gにも満たない驚異的な細さの繊維です。こういった超極細繊維は、染めるのが難しいとされていますが、東レさん独自の染色技術によって鮮やかな色味から淡い色味、蛍光カラーまで多彩なカラーバリエーションがラインナップされています。
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厚さは0.43mm~3mmまでで16種類以上あります。ウルトラスエードはニードルパンチ(多数の針がついた剣山の様な道具で刺し、繊維同士を絡める製法)で作られています。ニードルパンチでないと、これだけの厚さの人工皮革を作ることはできません。この製法を用いてこれだけの豊富なバリエーションを持っているのは東レさんだけです。
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3)後加工の自由度の高さ
箔・型押しなどの伝統工芸的な表面技法はもちろん、最先端のデジタルテクノロジーによる印刷やレーザー処理まで多様な後加工が可能です。以下ではそのバリエーションをご紹介します。

【貼り合わせ加工】
ウルトラスエードは貼り合わせることができます。
貼り合わせ

こちらは2.0mm~3.0mmの生地を何層にも重ね、貼り合わせたブロックです。ウルトラスエードは繊維をフェルト状のシートに加工した後に染色するのですが、高い染色技術によって厚みのある布地の裁断面もムラなく均一に染まっていることがわかります。
DSC_0234_小

パーフォレーション】
丸型に穴あき加工したウルトラスエードに、透け感のあるオーガンジーを貼り合わせています。切りっぱなしでもほつれない3次元不織布構造ならではの加工ですね。
※パーフォレーションとは、用紙の切り取り線や切手のフチ周りのような一定間隔で抜かれている穴のこと。
ウルトラ_穴あき

【インクジェットプリント】
インクジェットプリントされたチェック柄のウルトラスエード。鮮やかな色合いが綺麗にでています。
DSC_0220_小

【箔プリント】
加工したメタリック感のある部分とウルトラスエードのマットな質感の対比がきれいです。
箔プリント

エンボス】
エンボス加工を施した生地には、箔加工とはまた違ったさりげない柄感が出ます。見る角度によって柄の見え具合が変わるため、奥行きのある上品な印象のテキスタイルに。
※エンボス加工とは、凸板と凹板の間に布や紙などの材料を挟んで型押しをすることで表面に凸凹を作る加工方法。
ウルトラ_エンボス

【3Dエンボス】
ウルトラスエード2枚の間にスポンジを挟み丸いエンボス加工をしたものです。ぷくぷくとした起伏がうまれ、立体的なテキスタイルになります。
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上にあげたもの以外にも、色×厚み×加工技術で表現の可能性は無限大です。まだまだ多様な組み合わせ、種類の生地があります。なお、ウルトラスエードは厚さ0.63mmと1.1mmのものをCMTELを通して個人で購入することも可能。ウルトラスエードを使った洋服やインテリアなどの制作に活かせそうですね。現在、東レさんから配布用のサンプルをいただいております。興味がある方やサンプルを希望する方、詳しくはCMTELまでお問い合わせください。

TORAY(BLUE)-[更新済み]

24 11月 

EVENT REPORT!「しっくい塗りを体験しよう!」

Posted by CMTEL  |  2015/11/24 18:03

10月22日にCMTELにて漆喰ワークショップを開催しました。
漆喰の基本的な特性、道具の使い方、塗り方等をレクチャーしました。
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●漆喰(しっくい)とは?
漆喰は石灰を原料とした壁塗り材です。二酸化炭素を吸収しながら硬化していく壁材で、古くから城郭(じょうかく)や民家などあらゆる建築物に使用されています。

今回はロハスウォールさんの「本格漆喰」を使用。こちらは100%天然素材でつくられているためケミカルレスです。接着性を高めるための化学樹脂は一切使わず、昔ながらの海藻のりを用いています。そのため、シックハウスの原因であるホルムアルデヒドを発散しません。人体にとても安全で、速乾性・防水性・調湿機能・抗菌防カビ・消臭効果・防火性にも優れています。

ワークショップでは、大容量の「タンクタイプ」(12kg)を使いました。
漆喰は石灰の粉末・海藻のり・水がペースト状に練られた状態で届くので、すぐに使用することができます。使いきれなかった漆喰は、袋の中の空気を抜いて口をしっかり閉めることで、1年以上経ってもまた使うことができます。漆喰ワークショップ25

漆喰を少量使いたい場合は「チューブタイプ」(800g)もあります。
こちらもペースト状の漆喰がチューブに入っています。コテに直接盛り付ければ、盛り板も不要です。準備も後片付けも少ないのでビギナー向けです。ペットボトルのように蓋がついているので、空気を抜いて蓋をすればこちらも1年以上保管が可能。持ち運びも便利で、画材のジェッソの様に気軽に使えるパッケージです。
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ロハスウォールさんでは、漆喰を購入することができます。カラーバリエーションもホワイトだけでなく、数種類の中から選べます。また、道具レンタルや壁塗りの講習会も開催しているので、興味のある方はぜひHPをご覧ください。

HPはこちらから→ロハスウォール

 

●「しっくい塗りを体験しよう!」ワークショップの様子
1)講義「漆喰とは?」
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講義では講師の辻氏より漆喰の原材料や、硬化の仕組み、特長について詳しく学びました。
原材料である石灰石を、実際に触れてみます。ザラザラした質感で、キラキラとした結晶を含んだ石です。
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2)道具の紹介
使用した道具は「コテ」と「盛り板」。両方とも左官職人が現場で使うものと同じものです。盛り板は裏側に持ち手が付いています。コテは中指と人差し指の間で中心の棒を挟み、柄を握ります。
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3)実習「板材に塗ってみよう」
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漆喰を使用する際はまず、使用できる柔らかさにしなければなりません。
袋の中では漆喰と水が分離し、固くなっているため袋の上から足や手で揉みます。
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ある程度柔らかくなってきたら、次は柄杓(ひしゃく)を使ってよく混ぜます。
目安はパンケーキミックスの生地状です。塊がなくなれば使用できます。
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盛り板に漆喰をのせます。漆喰の端をコテですくい、盛り板をひっくり返しながらコテの腹にのせます。この盛り板さばき、辻氏がしているのを見ると簡単そうですが実際にやってみると難しいです。漆喰ワークショップ07漆喰ワークショップ11
コテにのせた漆喰を、まず下から上へ塗ります。
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次に左右にならしていきます。
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辻氏にコツを教わります。
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コツを掴み、盛り板さばきにもだんだんと慣れてきました。皆さん集中して板材を塗っています。
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基本の塗り方は以上です。

 

様々なコテと表現できる模様
今回使用したコテは3種類。これらを使って作ることのできる模様を紹介します。

剣先コテ
先が剣先のように尖っているのが特長のコテ。
剣先コテには長所が二つあります。一つは他のコテよりも壁に接する面積が最も大きく、1度でたくさん漆喰を塗ることができます。もう一つは、先が角になっているので、角(かど)をそのまま塗ることができます。表面をならし滑らかな面を作ることはもちろん、エッジを使ってシャープな模様を表現することも可能。
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扇型の模様を描くこともできます。
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「ランダムパターンコテ」
ランダムで立体的な模様を簡単に描くことができるコテです。
予め漆喰を3mm以上に厚めに塗りつけておきます。その上からコテを直線的・曲線的に動かすことで、立体的な仕上げ模様を表現することが可能。レリーフ状の壁面と、光源がつくりだす影の変化を楽しめます。他のコテではこの仕上げ模様を出すことは難しく、このコテならではの表現です。
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「クシコテ」
「櫛引仕上げ(くしびきしあげ)」という仕上げ模様をつくる専用のコテ。櫛引仕上げとは、クシで引いたようにギザギザした凹凸をもつ模様のことをいいます。店舗の内装などでよく見かける仕上げ模様の代表的な表現方法の一つです。
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コテのギザギザしたエッジを、壁に対して少し起こした状態で動かします。そうすると櫛引き模様のできあがりです。
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「木コテ」
木コテは「乱流」「引きづり仕上げ」という仕上げ模様を作る時に使用します。底に丸みがついているので、滑るように模様を描くことができます。
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「ブラシ」
身近にある道具でも模様を描くことができます。身の回りにあるものでどんな模様を作ることができるのか実験してみたくなりました。使い方しだいで身近な日用品も壁塗りの道具に使えそうです。
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●自由制作

各自が持参した素材に漆喰を組み合わせて、自由制作を行いました。制作の様子を一部紹介します。

「漆喰×ダンボール」
漆喰の水分をダンボールが吸い膨張するため、表面が波うちました。その凹凸が漆喰の表面越しにもうっすら浮き出てきました。水分の影響を受けやすい下地材の特徴を逆手にとると、思いもよらない模様が現れました。
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「しっくい×ビーズ」
漆喰を塗った上からビーズを散布しています。ネオンカラーのビーズと漆喰との色の組み合わせがきれいですね。乾く前の漆喰は柔らかいので、表面に他の素材を埋め込む加工が可能です。
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「漆喰×カゴバッグ」
カゴバッグをタンクタイプの漆喰に丸ごと浸しています。塗り終えた後のバッグは想像以上の重量でした。乾燥後が楽しみですね。
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「漆喰×フィギュア」
コテではなく指を使い、厚みを調節しながら塗っていました。
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普段触れることのない漆喰を体験することで、今後の制作にも活かせるのではないでしょうか。また、それぞれ違った素材を持参し、漆喰でどのような表現が可能かを楽しんで検証できたようでした。

CMTELには漆喰のサンプルが展示されています。今回のワークショップに参加出来なかった学生もサンプルを見にぜひCMTELにお越しください。

※今回のワークショップはロハスウォールさんにご協力いただきました。