概要
2021年に開催した展覧会「我楽他宗—— 民藝とモダンデザイナーの集まり」にご来場いただいた皆さんへ配布した図録です。
「我楽他宗(がらくたしゅう)」とは、 大正期から昭和初期にかけて活動していた、蒐集好きで自身の「趣味」を追求する人びとの集まりです。我楽他宗を率いたのは三田平凡寺という人物でした。日本全国から蒐集家、知識人、芸術家らが集い趣味品の交換会などをおこなう一方、日本における伝統とモダン、歴史、宗教、スピリチュアリティなど多岐にわたって議論を交わし、その内容を掲載した雑誌を刊行するなど、ダイナミックかつクリエイティブな集団でもありました。本展は、近代において「我楽他宗」が東西の多層的な文化接触をもたらし、国際的かつ芸術的なネットワークであった側面に光をあてる初めての試みです。
三田平凡寺をはじめ、メンバーだった板祐生、河村目呂二、ステファン・ルビエンスキー、グルチャラン・シングなどの作品とともに、我楽他宗の活動の広がりを伝える写真、雑誌など、約150点におよぶ関連資料を紹介しています。
目次
我楽他宗、民藝、神智学:重層するネットワークの焦点 (安藤礼二)
第1章 我楽他宗とは (ヘレナ・チャプコヴァー)
第2章 三田平凡寺と我楽他宗 (藤野滋)
第3章 国際ネットワークとしての我楽他宗 (ヘレナ・チャプコヴァー)
祖父三田平凡寺の記憶と遺品のこと(夏目房之介)
粘土を巡って(アヌラーダ・ラビンドラナート)
Garakutashū, Mingei and Theosophy: the focus on multilayered networks Ando Reiji
Chapter 1 GARAKUTASHŪ― an introduction Helena Čapková
Chapter 2 Mita Heibonji and Garakutashū Fujino Shigeru
Chapter 3 Garakutashū as Transnational Network Helena Čapková
Memories and Heritage of My Grandfather Mita Heibonji Natsume Fusanosuke
My Journey Through Clay Anuradha Ravindranath
発行:多摩美術大学 芸術人類学研究所(IAA)
執筆:安藤礼二、ヘレナ・チャプコヴァー、藤野滋、夏目房之介、アヌラーダ・ラビンドラナート
翻訳:ヘレナ・チャプコヴァー、青木直哉
編集:大友真希、有馬智子
デザイン:尾崎房
撮影:土田祐介
発行日:2021年2月25日
製本・ページ数:ソフトカバー、72頁
サイズ:A4変形(210×281mm)
*本図録に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
図録をお持ちの方は最新の正誤表をダウンロードしてご利用ください。
正誤表(2021年4月7日版)
*本図録の配布は終了しました。芸術人類学研究所または以下の図書館で閲覧可能です。
多摩美術大学図書館
国立国会図書館
配布終了
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