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多摩美術大学絵画学科版画専攻4年有志校外展 「動き出す背景」

2019.12.25

展覧会・イベント

多摩美術大学絵画学科版画専攻4年有志校外展
「動き出す背景」

クニモチユリ
胡周華
中庭恵穂
滑良奈央
宮崎咲希
谷内尾恵

【会期】
2020年1月16日(木)~1月26日(日)
13:00~19:00(水曜日休館)
入場無料

主催:多摩美術大学
共催:アートラボはしもと
後援:アートラボはしもと事業推進協議会(女子美術大学・桜美林大学・多摩美術大学・東京造形大学・相模原市)

【会場】
アートラボはしもと
〒252-0146 神奈川県相模原市緑区大山町1-43
TEL:042-703-4654
http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kankou/bunka/1003691/index.html

(JR横浜線・相模線・京王相模原線 橋本駅南口より徒歩12分)

【展覧会概要】
 「作品」だとみなされるものと、そうでないものとの境界線はどこにあるのでしょうか?
 版画作品の制作過程では、試し摺りや摺り損じなど制作の副産物が大量に生み出されますが、通常それらは作品とはみなされず、作品の「背景」として存在しています。しかし、両者を隔てる境界線は曖昧なもので、何を基準に作品とみなすのか?どこまでが作品と言えるのか?という問いは制作と作品の傍らに常に存在しています。
 本展では、そうした疑問を鑑賞者にも投げかけます。

 展示室に入ると、私たちの目には作品だけでなくその空間の床や壁も映ります。私たちは、作品とそれらを取り巻く環境、展示された作品の言わば「背景」として展示室も同時に見ているのです。
 一般的な美術館やギャラリーには、作品の世界観に「背景」が干渉しないよう、壁、床、天井などが白色で統一された、ホワイト・キューブと呼ばれる展示室が備わっており、その中で展覧会が開催されます。本展と同時期に多摩美術大学で開催される「2019年度多摩美術大学美術学部卒業制作展」でも、そのような展示室への設営方法に基づいて作品が陳列されます。

 この卒業制作展とは対照的に、本展ではアートラボはしもとにあるモデルルーム2部屋を展示室として使用します。モデルルームという部屋自体が持つ強い個性を利用し展示を行うことで、ホワイト・キューブでの展示では見られない、作品に干渉する「背景」と背景に干渉する「作品」のせめぎ合いや調和をご覧いただけます。

 作品の「背景」に存在する制作の副産物と、「背景」として存在する展示室。
 この2つの「背景」をテーマとする本展が、鑑賞される皆さまにとって、展覧会の作品とその向こう側にあるものについて考えるきっかけになれば幸いです。

【イベント情報】
トークイベント『拡張する展覧会の土台、またその動向について』
2020年1月25日(土)
17:00~18:30
ゲスト:春のカド(内田百合香、船戸厚志)
会場:アートラボはしもと
定員:20名(申込不要)
対象:大人(中学生から)
参加無料

近年、家屋や廃ビル、古民家などホワイト・キューブではない場所で作家や美術団体が様々な企画展示を行なっていますが、彼らは何故そのような環境を展示室として利用しているのでしょうか?
このトークイベントでは、本展参加メンバーがモデルルームを展示室に選んだ理由や、そこで展示を行う意味について語ります。

集合住宅を改装したギャラリーや元店舗などの場所で展示を企画し行っている「春のカド」からお二人をゲストに迎え、本展参加メンバーとそのような展覧会にまつわる話や現在の動向、「春のカド」での取り組みなどを伺いながら、そのような特殊な展示環境について掘り下げていきます。