【活動報告】雲仙・普賢岳噴火災害の記憶継承と芸術・表現に関する調査を実施

 

 

研究部門「来るべき美術:自然災害の哲学——新しい「地水火風」」では、雲仙・普賢岳噴火災害の記憶継承と芸術・表現について、2024年3月に長崎県南島原市・島原市・諫早市に赴き調査を行いました。

 


 

部門「来るべき美術:自然災害の哲学——新しい「地水火風」」(椹木野衣 所員)では、近年、世界的問題となった気候変動に起因すると思われる自然災害の多発を視野に入れて、そこから新たな人類と自然の共生について、芸術・表現を通じて考えていくことを目指し研究を行っています。

当部門では、自然災害とかつてないかたちで直面することとなった平成年間(1989-2019)から、長崎県島原半島に位置する雲仙・普賢岳の噴火災害による被災地において、記憶の継承と芸術表現をテーマに調査研究を行い、写真家・砂守勝巳さんの写真作品と元高校教員・満行豊人さんの絵画作品を中心に据えた展覧会「UNZEN ——「平成の島原大変」:砂守勝巳と満行豊人をめぐって」(多摩美術大学アートテークギャラリー、2022年)を開催しました。

今回の調査では、1992年に島原を訪れて以降、30年にわたり被災地に通いながら記録と制作をつづける美術家・大浦一志さんの活動現場「横田家跡地」を主に、普賢岳・平成新山、諫早神社、原城の聖マリア観音、南島原市アートビレッジ・シラキノ、保里川家住宅などの視察を行いました。

ご協力いただきました関係者の皆様に感謝を申し上げます。

 

 

◉横田家跡地

上段|横田家跡地(左)と発掘記録・ライブ配信用の足場(右)

下段左|横田家跡地で発掘された軽トラック(深江埋蔵文化財・噴火災害資料館)

下段右|左から:大浦一志さん、砂守かずらさん(砂守メディアアーカイヴズ代表)、椹木所員、松下英爾さん(朝日新聞社島原通信員)

 

◉普賢岳・平成新山

普賢岳山頂から見る平成新山(左)と島原湾(右)

 

◉諫早神社「雲仙塚」

左|九州守護神が宿る「雲仙」の山景を再現した「雲仙塚」

右|神社の歴史や雲仙塚について宮本宮司にお話を伺いました