28 9月 

10月の休館日のお知らせ

Posted by CMTEL  |  2017/09/28 11:56

10月の休館日をお知らせいたします。

土曜:7、14、21、28日
日曜:1、8、15、22、29日

また、下記日程は都合により一時閉館(11:30~12:30)いたします。
2日(月)、3日(火)、12日(木)、18日(水)、25日(水)
●5日(木)6日(金)はミニワークショップの開催準備のため。

なお、10月9日(月)体育の日は授業調整日(平常授業)のため、開館いたします。

以上、10月も是非CMTELをご活用ください!

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10月5日(木)10月6日(金)に開催されるミニワークショップ「UVレジンと素材で『アクセサリーバッジ』を作ろう!」についての詳細はこちら

15 9月 

「UVレジン」という素材、ご存じの方も多いのではないでしょうか?今回のミニワークショップでは、透明なUVレジンといろいろな素材を組み合わせたアクセサリーバッジを制作します。素材はCMTELでも準備しますが、自分で持ち込むことも可能です。募集定員が少ないため、気になる方は早めの申し込みをおすすめします!

●UVレジンとは
UVレジンとは紫外線に反応し化学変化を起こして固まる性質をもった樹脂です。身近で使われている例としてはジェルネイルがあげられます。樹脂特有のにおいもほとんどなく、紫外線を照射するUVライトを使えば5分ほどで制作ができます。また綿密な計量や攪拌(かくはん)のプロセスがないため失敗も少なく、初心者でも気軽に楽しめます。アクセサリー作りだけでなく、表面加工にも使用できる素材です。

【開催概要】
●日時:2017年10月5日(木)6日(金)
第1回/10:40〜11:20 第2回13:00〜13:40 第3回/14:00〜14:40 ※1日3回、2日間で計6回開催
●所要時間:約40分
●参加方法:要申し込み(定員になり次第募集締切)
●場所:八王子キャンパス メディアセンター2階 CMTEL
●募集対象:多摩美術大学全学生
●募集定員:各回6名/1日3回、計36名
●参加費・材料費:無料
●制作点数:1点
●服装:汚れてもいい作業着やエプロン
●持参するもの:封入したい素材(水分を含むもの、スポンジ状のものは不向き)

【応募方法】
●八王子キャンパスの学生:メディアセンター2F CMTELまで直接申し込みに来てください。
※来館の際には、学生証を持参してください。
●上野毛キャンパスの学生:メールにて受け付けます。cmtel@tamabi.ac.jpまで、以下9項目を明記し送信してください。
件名「ワークショップ参加希望」、学科・学年・学籍番号・氏名・フリガナ・希望日、希望回、電話番号

なお以上の詳細は、学内の掲示板にもCMTEL NEWS no.6として掲示しています。ぜひこの機会にUVレジンを体験してみてください。皆さんの参加をお待ちしてます!

14 9月 

こんにちは。2017年7月15日(土)、16日(日)のオープンキャンパスにて「マテリアルワークショップ~アクセサリーバッジをつくろう!~」を開催しました。2日間で合計282名の方にご参加いただき、すべての回が満員となりました。

このワークショップは、透明樹脂(UVレジン)といろいろな素材を組み合わせ、アクセサリーバッジをつくる体験ができるというものでした。

UVレジンとは紫外線を当てることにより固まる樹脂のことで、身近で使われている例としてはジェルネイルがあげられます。樹脂特有の臭いもほとんどなく、紫外線を照射するUVライトを使えば5分ほどで制作ができます。扱いやすい上に失敗も少ないので、初めて樹脂を扱う方でも気軽に楽しめます。

当日は、樹脂の取り扱いに長けた学生インストラクターが各作業テーブルについてレクチャーを行いました。
では実際どのようなワークショップを行なっていたのか、ご紹介します!

.素材を選ぶ
台の上に並べられた素材の中から好きなパーツを選びます。

アルファベットや動物の形をしたパスタや、

透明なカラーセロファンをカッティングマシンでカットしたもの。

3Dプリンターでプリントした造形物とその端材。トウモロコシのデンプンから作られたポリ乳酸というプラスチックを使ってできています。

こちらは、ワックスコードを短くカットしたもの。

この他にも、CMTELならではの特殊な素材もありました。その中から珍しい素材をいくつかご紹介します。

「スチレンビーズ」(協力 積水化成品工業株式会社様)
画像左側は、発泡スチロールの原材料”原料ビーズ”(ポリスチレンの粒)です。およそ0.4mmほどのビーズの中には発泡材のガスが含まれています。蒸気をあて加熱させることで50倍以上に膨らみます。向かって右側は原料ビーズを予備発泡させた“発泡ビーズ”です。

さらに発泡ビーズを金属の型に入れ、もう一度蒸気をあて成形することで膨らんだビーズ同士が熱でくっつきます。そうして普段見慣れている生鮮食料品用の保冷梱包材緩衝材が作られるのです。

今回は原料ビーズ、発泡ビーズの両方を揃えました。原料ビーズの段階ではビビットな色半透明ですが、発泡ビーズになると乳白色・不透明色になります。触り心地も発泡前は硬いですが、発泡後はビーズ内のガスが膨らみスポンジ状になるため柔らかく弾力をもちます。日常生活では見ることのできない、身の回りの物の元の姿に驚きです。


「メッシュ」
(協力 株式会社NBCメッシュテック様)
網戸やふるいなどでなじみ深いメッシュですが、実は家電製品や自動車内のフィルター音響機器のスピーカー部材など日常生活のあらゆるところで幅広く使われています。

今回は4種類のメッシュをレーザー加工機でカットしたパーツを準備しました。

画像一番左の編み目が三角形になっているメッシュはコンクリートの補強材として利用されています。繊細なイメージのあるメッシュが建材の一部として活用されていることに驚きました。一般的には目にすることのできない貴重なメッシュです。

縦横だけでなく三軸方向に織っているのは、三方向に対して強度を保たせる機能のための造形です。元々メッシュの織り目がもつ構造の美しさは、柄という観点においても魅力的です。

他にも、暗い所で光る蓄光(ちっこう)繊維を織り込んだものや、蛍光ピンクのメッシュは靴や鞄の試作品に使われているもの、撥水加工されているものなど種類が豊富です。


「ケミカルウッド」
(協力 株式会社ミナロ様)
加工性や環境性に優れた、言葉通り人工の木材です。木のように木目がなく繊維の方向を気にせず加工ができ、色で硬度が分かれているので用途に合わせて選ぶこともできます。また、着色性にも富んでいるので模型フィギュアの製作でも多く使われています。ものづくりの可能性をひろげる使い勝手のよい素材です。多摩美生もよくお世話になっています。


番外編「UVレジンと相性の良くなかった素材」
ワークショップに使用する素材の準備・検証をしていく中で、上手くいかない素材がありました。せっかくなので、ここで余談としてその例もご紹介します。
一つ目は、水分を含むもの。植物や食べ物など、水分をもつ素材は硬化する際、気泡ができたり表面に凹凸ができてしまうことも。下の画像は押し花を封入した試作品です。わずかに残っていた水分が原因だと思われます。

二つ目は、UVレジン液を吸い込んでしまうもの。例をあげると、スポンジフェルト状の布です。浸み込んでしまうと素材の内部に紫外線が届かないため固まりません。UVライトを20分照射してもベタつきが残りました。

今後UVレジンを使う際は、良ければ参考にして素材を選んでみてくださいね。

.シリコンの型にパーツを並べる
ここからは作業用テーブルへ移動し、学生トレーナーの元いよいよ作業スタート。

今回型に使ったのは、直径3cm、厚さ5mmの正円の型です。完成時の表面底側・上側どちらになるのか考えながら、選んだパーツを自由にレイアウトします。皆さん真剣になって爪楊枝やピンセットを使って慎重に並べていました。


.UVレジンを流す
並べ終わったら、UVレジンを流していきます。UVレジンは厚くなりすぎると紫外線が中までよく通らず、表面にベタつきが残ったり固まらない原因になるので8分目を目安に。注ぎ終わったら、パーツ同士の隙間に入ってしまった空気を爪楊枝で除いたり位置の微調整を行います。綺麗な完成を目指して思わず熱の入ってしまうところです。


.UVライトをあてて固める
今回使用したUVレジンは太陽光や蛍光灯に含まれる紫外線の量ではすぐに固まりません。専用の機材であるUVライトで固めていきます。UVライトが青く光っている時が紫外線の出ている時です。

まず庫内に型を並べます。それから、表側から2分、シリコン型ごとひっくり返し裏側から2分計4分紫外線をあてていきます。天地を変えるのは紫外線をまんべんなく照射するためです。

固まるまでの待ち時間は、多摩美の話、素材の話、UVレジンの話……様々な話で盛り上がりました。


.型から取り出す
つい先程まで液状だったUVレジンが…カチカチに固まりました!UVレジンは固まる時に高温の熱を発生します。十分冷まして型から取り出しましょう。

 

.ピンをつける
最後に、UVレジンを接着剤代わりにピンバッジ用の金属パーツをつけていきます。そして、再度UVライトを2分あてて固まるのを待ちます。

 

.完成です!!!

ここで完成品をいくつかご紹介!
原料ビーズ発泡ビーズを使用した作品です。左側の作品は原料ビーズの透明感が生きています。右側は発泡ビーズを用いた作品で、乳白色の柔らかい色合いがかわいいです。

UVレジンの硬化時に発する熱で、よく見ると部分的にビーズが膨らみ色も白っぽくなっています。硬化前と後で起こるビーズの表情の変化を観察する参加者もいました。

こちらはメッシュを使った作品。言うまでもなくメッシュは空気を通すので、UVレジンを注いだ時に入ってしまう気泡の泡抜けが良かったです。また、UVライトを当てて硬化させる時にも、紫外線がメッシュの穴を通過するため硬化の防げになりません。UVレジンとの相性は抜群です。

ケミカルウッドを用いた作品です。硬さの違う3種類のケミカルウッドだけで作られたシンプルなバッジです。

オレンジ色のケミカルウッドは、彫刻刀やカッター簡単に削ることができます

それから、3Dプリンタ造形端材を大胆に使ったものです。立体的であえて思い切り飛び出させるのもおもしろいですね。

左はワックスコードに一手間を加えてリボン結びにしたものを封入しています。中央はケミカルウッドワックスコードを使い花のように見立てています。素材の組み合わせが面白いです。右は3Dプリンタの端材を短く切り使用しています。多数ある端材の中から選んだ色の組み合わせにセンスを感じます。

 

今年のワークショップでも、お子様から大人の方、学生や受験生、たくさんの方が体験に来てくださいました。聞いたことはあるけれど使ったことはなかった材料や初めて見た素材に、実際に触れて、つくってみて、ものづくりの楽しさを感じていただけたようです。今回参加できなかった皆さんも、ぜひ来年参加してみてください!

05 9月 

こんにちは。2017年6月7日(水)、8日(木)に樹脂成型による多摩美リングのワークショップを行いました。今回のブログでは当日の様子に加え、後半ではシリコン型の作り方をご紹介します。(樹脂成型で失敗しないためのコツはこちら)今回のワークショップは日新レジン株式会社様にご協力をいただきました。


1回定員30名の予約制で参加者を募集し、2日間で計4回開催。毎年恒例のこのワークショップは、学生に「樹脂の基本的な特徴や扱い方を学ぶこと」「樹脂を身近な素材として知り、制作に活かすこと」を目的としています。

 

●講義「樹脂の性質と扱い方」
まず初めに講義を受け、樹脂についての予備知識を頭に入れます。


●実験「ウレタン樹脂に水を混ぜてみる」
ウレタン樹脂の特徴の1つに、湿気や水分の影響を受けやすいという点があります。では、水分が加わるとどのような現象が起こるのでしょうか。ウレタン樹脂にあえて水を入れ、攪拌(かくはん)※します。数十秒後、ぶくぶくと気体を出しながら発泡し固まりました。下の画像の左側は正常に固まったもの、右は水を加えたものです。
※攪拌…かき混ぜること

水の影響を受けると気泡の多い穴だらけの硬化物になります。


●実習「樹脂を使ってみよう」
実験のあとは、スタッフのいる各テーブルに移りいよいよ実習です。

1.型の準備
今回CMTELが用意したシリコーン型は2つに分割できる 割型(わりがた) という形状をしています。

シリコーン型の内側のゴミやカスを取り除いてから、離型剤(りけいざい)スプレーを散布します。

スプレーの散布後、型をしっかり固定するためにガムテープを型の周りに巻きます。樹脂を流し込んだ際に割型のすき間から漏れ出てしまうことを防ぎます。これでシリコーン型の準備は完了です。

素材メーカーの技術の方からも専門的なアドバイスをもらいながら進んでいきます。


2.計量

次は樹脂を扱う上で重要な計量です。今回使用するウレタン樹脂は発熱しながら硬化する2液性の樹脂です。主剤・硬化剤を1:1で混合します。


3.撹拌(かくはん)

主剤の中に硬化剤を入れ撹拌棒で約20秒しっかりとかき混ぜます。攪拌のコツを知りたい方はこちら


4.注入

撹拌が終わったらシリコーン型に素早く注ぎ入れていきます。

注型が完了しました。後は10〜15分程硬化を待ちます。完全に硬化するのは24時間後。


5.脱型(だっけい)

硬化が完了したら、型をグネグネとひねらせリングを抜き取ります。シリコーン製の型は伸びる性質を持っているため、手で形をゆがませることが可能です。


6.完成

リング以外の余分な部分をニッパーで切りおとし、切断面をやすりで整えて完成です。

ワークショップは以上で終了です。今回のワークショップは、学生にとって樹脂の特性や扱い方を体感しながら学ぶことのできた機会となったようです。

今回ご協力いただいた日新レジン株式会社様では、今回使用したウレタン樹脂とブログで登場したシームレスシリコーンの他にも透明な封入用樹脂(クリスタルレジンNeo)や、グミのように柔らかい樹脂(グミーキャスト)、また樹脂専用の着色剤なども取り扱っています。様々なサンプルをCMTELにも展示していますので、是非一度お越しになりご覧ください。

※このワークショップは、サポート企業・日新レジン株式会社様にご協力いただきました。

 

 

ここからはシリコーン型の作り方です。写真を交えながら、ちょっとしたコツなどもご紹介していきます。

制作手順を紹介「シリコーン型の作り方」
今回作る型はワークショップで使用したものと同じ、割型(わりがた)です。2分割の割型を作るので、今回はシリコーンを2回に分けて流すことになります。

日新レジンのシリコーンゴムにはクイックシリコーン※とシームレスシリコーン※の2種類があります。
シームレスシリコーン…引き裂き強度に優れており、複雑な形状のものの型取り適しています。
クイックシリコーン…硬化速度が速く、型作りの時間を短縮できます。硬度が高いため、分割型に適しています。

本来、割り型にはクイックシリコーンの方が向いているのですが、今回はシームレスシリコーンを使用しています。理由は、原型が有機的でやや複雑な形をしているためです。またシームレスシリコーン型は柔らかいため注型物が取り出しやすい点も加味しました。複製したい物の形状型からの取り出し方を念頭において適切なシリコーン選びをすることが必要です。


1.用意する道具

シームレスシリコーンセット(硬化剤、計量スプーン、撹拌棒含む)、離型剤、刷毛、計量器、スチレンボード、油粘土、グルーガン
※点線内で囲まれた道具がシームレスシリコーンのパッケージに含まれています。


2.型を作る
今回はスチレンボードの板で型枠を作ります。スチレンボードをグルーガンを使って接着。シリコーンは液状です。漏れださないようにしっかり囲いを作りましょう。角にどうしても隙間ができてしまう場合は内側からもグルーガンを使って埋めていきます。

型枠の完成です。型枠は原型の大きさによってサイズが異なります。今回は内寸、縦95×横125×深さ110mmの型枠を作りました。ちなみに原型の大きさは縦65×横95×深さ80mm。原型よりも縦横深さが30mm大きい型枠を作りました。


3.原型の準備をする
今回原型として準備したのはこちら。3Dプリンターで出力したもので、よく見ると積層のピッチが粗く凸凹した部分があります。スポンジやすりを使いガタガタしている所をやすります

表面のへこんでいる部分が気になったのでパテ※で埋めました。またサーフェイサー※を吹き付け、表面をなめらかにしていきます。シリコーンは微細な凸凹もひろってしまうため、原型の表面処理は最終成果物にそのまま影響します。根気強くやすりましょう
※パテ…くぼみ、割れ、穴等の欠陥を埋めて、表面の平らさを向上させるために用いられる肉盛り用の塗料。
※サーフェイサー…段差、小キズ等を消して均一な質感にするため下地材。


4.原型を粘土で埋める
原型を型枠の中央に置き、写真のように原型の下半分までを粘土で埋めます。

原型と型枠の間は約1.5cmのスペースを空けています。このスペースはシリコーン型の壁ができる空間になります。また、原型の周りの粘土には鉛筆などで凹みをつくります。この凹みが後々樹脂を流し入れる際の型ずれを防ぐ重要な役割をはたします。


5.計量と攪拌
シリコーンも前半のワークショップで使用したウレタン樹脂同様、指定の混合比があり、シリコーンと硬化剤が混ざることで固形化します。シームレスシリコーンの混合比はシリコーン:硬化剤=100:5です。今回はシリコーン500gを使用するため、硬化剤は25g使用します。

シリコーンと硬化剤が均一に混ざるように攪拌棒で攪拌します。この時、混ざりづらい底の方もしっかり混ざるよう意識しましょう。攪拌が足りないと硬化不良の原因になります。


6.シリコーンを型に流す(1回目)
型に流し入れます。シリコーンは一気に流し込むと空気を巻き込んで気泡を含み、硬化後に穴として残ってしまいますゆっくり流していきましょう。

流し終わったら、型に振動を与えて気泡を出します。その後15時間硬化させます。シリコーンは高温高湿だと硬化が早くなります。そういった環境下で硬化させれば、時間を短縮することもできるようです。


7.シリコーン型1/2完成
シリコーンが完全に硬化したら型枠を外します。型の1/2が出来上がりました。

慎重に粘土を剥がしましょう。この時注意しなければならないのが原型が型から外れないように気をつけること。原型がシリコーン型から外れてしまうと、原型を元に戻しても間にわずかな隙間ができてしまいます。この後もう1度シリコーンを流す工程の際に、その隙間に流れ込んでしまう原因になってしまいます。型の精度が落ちることになります。


8.離型剤を塗る
今回使用する離型剤は、塗ると膜ができるタイプのものです。シリコーンはシリコーン同士で付着する性質があります。この後2度目のシリコーンを流す工程の時、既に硬化した1層目のシリコーンと2層目が付着しないように離型剤を塗りましょう。塗っておかないと、分割のできないシリコーンの塊になってしまいます…。

原型を避けて、シリコーンの表面のみに離型剤を塗ります。


9.シリコーンを型に流す(2回目)

シリコーンの周りをスチレンボードで再度囲みます。

残り半分にシリコーンを流し込みます。再び15時間硬化。


10.型枠をとる

囲っていたスチレンボードをはぎとります。密着している2層の型を開くと、中にパプリカの形の空洞ができています。また2つのシリコーン型の接合面には凸と凹ができており、組み合わさった時に型がズレないようにするはたらきをします。これを作るために粘土に鉛筆で穴を空ける工程が必要だったのです。


11.湯口(樹脂を流し入れるための注ぎ口)をカッターで彫る

最後に湯口をカッターで作ります。今回はパプリカの底面に湯口を作ることにしました。

なぜ原型の天地を逆にして湯口を作っているのか2つの理由があります。1つ目は今回の原型の形の場合、下の図のように、樹脂を流した時の空気の逃げ道を考えると原型の上からより下から流した方が空気が抜けやすいからです。2つ目は樹脂が完全に硬化した後、余分な箇所である湯口部分をニッパーで切った時にできるカット跡が底面側になり目立たないからです。このように原型の造形によって湯口の向きや空気の抜け方を予め考えておく必要があります

上面から見たところ。湯口となる穴が空きました。

以上で、シリコン型の完成です。

 

試しにウレタン樹脂を流し入れてみます。

複製品ができました。

 

シリコーン型の制作は手順が多くハードルを感じる方も多いかと思います。確かに手順は多いのですが、複製までできた時の達成感と喜びはかなりの大きさです…!今回のブログを参考に、ぜひ制作をしてみてくださいね。なおCMTELではシリコン型作成や樹脂成形に関する相談にものっています。原型に使う素材選びや仕上げ方、割り型を作る際の分割の仕方など、どういう複製品を作りたいかによって制作の方法が異なります。興味のある方はお気軽にCMTELにお越しください。

31 8月 

こんにちは。2017年月5月10日(水)〜6月1日(木)の期間限定で、作品展示・技術紹介「UVインクジェットプリント表現の幅」を開催しました。(※以下UV IJプリントと表記)UV IJプリントを用いて印刷されたポスター7作品を展示。UV IJプリント表現の可能性を、目で見て手で触れて感じられる内容でした。なお今回の作品は株式会社ショウエイ様よりお貸りしました。

今回のブログではUV IJプリントの特徴と可能な表現をご紹介します!

ポスター展示と併せて、作品が完成するまでのプロセスが分かるテスト印刷紙も展示しました。


●UVインクジェットプリントとは

インクが通常のインクジェットプリンターとは異なり、紫外線で固まる成分を含んだUVインクを用いています。プリントと同時に紫外線を照射し、素材にインクを瞬時に定着させます。インクをはじいてしまうような、表面がツルツルした素材にもプリントをすることが可能です。

「インクの厚盛り」「白インクでの表現」「紙以外にも印刷」…などなど通常のインクジェットではできない表現に富んでいます。小ロット印刷にも向いており、卒業制作個人制作でも活用できる印刷技術です。


ここからは実際に展示した作品に沿って、UV IJプリントでどういった表現が可能なのかを紹介していきます。


特徴その①「クリアインクで質感に変化が出せる」
クリアインクとはその名の通り、透明なインクで印刷面の最も外側の表層にプリントされます。表面の質感をツルツルにする事はもちろん、光沢感を抑えた絹目写真のような控えめな光沢感にすることも可能。質感のバリエーションは全4種類。光沢感の少ないものから順に、マットセミグロスグロスドロップグロスとなっています。こちらの作品ではマット、セミグロス、ドロップグロスを用いています。(制作 河野愛氏×佐藤裕氏

下の写真は左側がドロップグロスをプリントした色面。画面に透明感とみずみずしい印象を与えます。向かって右側のマットな質感とのコントラストがきれいです。

こちらの作品でもクリアインク(ドロップグロス)が使われています。(制作 杉田翔平氏

使用した紙は「エドワーズ ギフトライン・ブラック」。ツヤのある斜めのストライプ柄が元から入っている紙です。UV IJプリントのクリアインクを上から重ねると…

クリアインクの色面とストライプ柄とがレイヤー状に重なり、複雑なグラフィックが生まれます。一見黒い色面が多くをしめる作品ですが、光のあたり具合が変わると黒い画面からツヤのあるパターンが現れ出ます。思わず手が伸び、ポスター上の色々な柄を触れて確かめたくなります。


特徴その②「ホワイトインク」

ホワイトインクは他のインクに比べて隠蔽(いんぺい)性が高いため、紙地を隠すことが可能。こちらの作品を例にご紹介します。(制作 宮前陽氏×渡辺美里氏

一見白い紙に銀の箔押しをしたかのようですが…そうではありません。元々の紙はこちらの「ミラルック シルバー 210g/m2」。

縁の白い色面は用紙の上にのせられたホワイトインクで表現されています。実際にポスターを触ってみるとわかるのですが、白い縁の方がシルバーの色面よりも1段盛り上がっています。ホワイトインクを使って地と図の関係を入れ替え、まるで銀箔を押したかのような擬似的な表現ができることに多くの方々が驚いていました。

こちらは特徴その①で紹介した作品のテストプリント用紙です。元々の紙地はメタリックなシルバーですが、向かって左側はホワイトインクをのせた上に青いカラーインクを重ねているため紙地の表情は透けて見えません。一方右側は紙地の上にホワイトインクをのせていないので、メタリックな質感が見えています。ホワイトを敷いておくかおかないかで、紙の質感を透かせて見せたりあえて見せなかったりする表現も画面に深みを与えます。


特徴その③「発色がよい」

実物はまるで蛍光ピンクのようなビビットな発色をしていたこちらの作品。一般的なオフセット印刷はCMYKのインク4色をかけ合わせることで表現するのに対して、UV IJプリントはCMYK、ライトシアン、ライトマゼンタの計6色を使います。インクが細分化され幅広い色をカバーできるため、混色が少なくて済み色の濁りを抑えることが可能。そのため高い彩度を表現することができるのです。(制作 杉田翔平氏

入稿データのカラーモードは一般的にはCMYKですが、UV IJプリントの場合はRGBの方が発色良く出力できます。またRGBデータをそのままプリントすることができるので、デジタルカメラで撮影した写真作品など色味を極力壊さずにプリントすることができるのも特徴です。作品中のグリーンの発色の良さも際立っていました。


特徴その④「インクの厚盛りができる」

UV IJプリントは、インクの上からさらに2重3重とインクを重ねることができます。つまりインクを立体的に盛り上げることが可能なのです。プリントする素材にもよりますが、1層あたりの厚さは約0.3mm。こちらの作品の1つ1つのドットはクリアインクを12層重ねて作られたものです(色の違いはカラーインクによるもの)。

この立体感は「プリント=平面的」という既成概念を覆す程。まるで紙の上に別の素材を貼っているかのようです。プリントだけで作られた作品だということに衝撃を受ける方も多くいました。(制作 石井勇一氏

こちらの作品ではホワイトインクを厚盛りにしています。(制作 宮前陽氏×渡辺美里氏

手書きで書いたアルファベットの筆圧の強弱をホワイトインクの厚さで表現しています。例えば下の画像の「P」、ぎゅっと力を入れる部分は厚く3〜5層、軽い筆圧でさらっと書いた部分は1層でプリント。1つの色面の中に、レイヤー数を多く重ねる部分とそうでない部分を作ることで、なめらかな起伏を作ることができます。

こちらの作品では中央の白い色面をホワイトインクの厚盛りでプリントしています。(制作 宮前陽氏×渡辺美里氏

この角度から見るとホワイトインクが上からのっているのがよく分かります。


特徴その⑤「紙以外の素材にも印刷可能」
表面がツルツルしたメタリックな紙やホログラム紙はもちろん、5cmまでの厚さなら紙以外の素材にもプリントが可能です。例えば、アクリル板・木の板材・金属板など。ただし表面フラットでなければなりません。最大プリント可能サイズ1.3×2.5m

左は金属の板に白インク、右は黄緑色のアクリル板に黒いカラーインクをプリントしたもの。


●今回の展示を通して寄せられた質問
Q1「厚盛りをしたい場合の入稿データの作り方は?」
オペレーターと打合せでインクの厚盛りイメージを共有した後、オペレーターがデータの作成をします。綿密な打合せが必要となるため、対面での打合せをする方が多いそうです。さらにテスト印刷(A4サイズ1枚あたり約5,000円〜10,000円)をして、それをベースにインクの盛り上げの指示を詳細に決めていきます。

Q2「クリアインクやホワイトインクを使う際の入稿データの作り方は?」
カラーデータ(RGB)とは別のファイルに分けるか、同じデータ内でレイヤーを分けておく必要があります。

Q3「印刷をする紙や素材の手配は?」
持ち込みもしくは、ショウエイ様に手配を依頼することも可能です。

Q4「印刷物はもう見られないの?」「価格が知りたい」
ポスター作品は返却してしまったためありませんが、CMTELではサンプルと印刷価格表を常時展示しています。気になる方はぜひご覧ください。

 

今回のUV IJプリント技術を通して、平面作品は2次元ではなく薄い3次元だということに気付きました。大判インクジェットプリンタが普及した2000年代から10年以上経ちますが、それから格段に表現の幅を広げるこの技術を学生が知り制作に繋がればと思います。インクジェットプリントでは表現できない質感・色・立体感が、個人制作レベルでも使えるUV IJプリント技術、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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作品展示・技術紹介「UVインクジェットプリント表現の幅」は以下の企業様・デザイナー様にご協力いただき開催しました。(順不同)

株式会社ショウエイ
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平和紙業株式会社
heiwa
宮前陽氏

渡辺美里氏

杉田翔平氏

石井勇一氏

河野愛氏

佐藤裕氏