11月19日(木)にTREND UNIONさんご協力のもと、トレンドセミナーを開催。
実際にトレンドブックを閲覧しながら、トレンド予測の必要性やその背景の説明を行いました。TREND UNIONではシーズン毎にトレンドを象徴するキーワードを設定しています。そのキーワードがどのように紡ぎ出され、どのように編集されて、どう形となって社会に現れるかまでの流れをつかむことのできるセミナーでした。
●トレンドブックとは?
ライフスタイル・経済・アートなど幅広い分野を検証し、予測したトレンド情報を発信する本です。1年半から2年先のシーズンテーマが各カテゴリーに分けられ発行されます。
●TREND UNION(トレンドユニオン)とは?
パリを本拠地にして、トレンドに関する情報発信を行っています。キーワード、カラー、テクスチャーなどトレンドを知る上で大切な情報をブックにまとめ発行。また、世界各地で年2回セミナーも開催しています。TREND UNIONは、人間本来のもつクリエイティビティーを信じ、その「自然の欲求」が向かう先を繊細かつ大胆に捉えている全10種類のトレンドブックを年2回発行しています。
●セミナーの様子
1.講義「トレンドとは?」
まずは講師である家安氏の講義です。「トレンド」とは単なる「流行りの予測」ではありません。数年後人々がどのような価値観を持ち、何を心の支えとして生きているのかを分析します。その分析を元に、人々が自然と求めていく色や素材等の情報を「トレンド」としているのです。
講義では「人々の価値観の変化」の身近な例として、スポーツが取り上げられました。少し前まで運動といえばジムに通いマシンでトレーニングをすることが主流でした。ところが今は自分の身体一つで行うヨガやランニングが大きなムーブメントとなっています。
人々はスポーツにフィジカルさ(肉体的な効果)よりもスピリチュアルさ(精神的な効果)を求める傾向にあります。読者の皆さんの中には、例に挙げたスポーツをもう既にしている方がいるのではないでしょうか?
内面に向きあおうとする人が選ぶウェアの素材や色はどんなものになるかを考えてみてください。それらはきっとマシントレーニングをする人が選ぶそれとは異なるものになるはずです。
“なぜマシントレーニングではなくそれを選んだのか?” まず自分の中の変化に敏感になり”なぜ?”と思うこと。その積み重ねが未来への洞察力となり、必然的なデザインを生むための起点になるというお話でした。
家安氏から次々と発せられる言葉を取りこぼすまいと、みなさん集中して聴き、メモに書きとめていました。「書き残しておきたい情報の多さに、手が追いつかなかった…!」という学生もいたほどです。
2.トレンドを具現化したオーディオビジュアルの上演
TREND UNIONのセミナーの核となるのは鮮烈なオーディオビジュアル(音と映像)です。ここでは実際上演している様子が載せられないのですが、感覚的にそのトレンドのイメージを把握することができる貴重なムービーを見ました。
3.ブックの閲覧、質疑応答
家安氏の前には、質疑応答を待つ学生の列。一人一人との対話を楽しみながら、寄せられる質問に対して丁寧に受け答えをする家安氏の姿と、学生のみなさんの積極的な姿勢が印象的でした。
合計10冊のブックが並びました。建築についてのARCHITECTUREや、人々の生活に注目したLIFESTYLE & DESIGN、男性のトレンドをまとめたMENS COLOURなど、これだけの数のブックが一度に揃うのは大変貴重な機会です。
普段見ることのできないブックを、みなさん目と手に焼き付けるように閲覧していました。
多摩美でのTREND UNIONのセミナーは、今回が初めて。学生向けに家安氏が特別に構成したセミナーでした。来年度は年2回開催予定ですので、ぜひ参加してくださいね。
またCMTELでは、最新のGENERAL TREND(2017年春夏号)を常時展示しています。
豊富な素材と写真が掲載されているのでぜひ、CMTELで実物をご覧ください。
なお次の2017・2018年秋冬号は、春休み中にCMTELに届きます。少し先になりますがみなさんには新学期から閲覧してもらうことが可能になります。どうぞお楽しみに。
※今回のセミナーはTREND UNIONさんにご協力いただきました。