30 8月 

OPEN CAMPUS 2016「多摩美リングをつくろう!」

Posted by CMTEL  |  2016/08/30 16:36

2016年7月16日(土)、17日(日)のオープンキャンパスにてワークショップ「多摩美リングをつくろう!」を開催。2日間で合計287人の方にご参加いただき、大盛況となりました。このワークショップでは、多摩美の校章が入ったリングを、材料となるホビーキャスト(ウレタン樹脂)とシリコン型を使って成型をします。樹脂を扱ったことがない方でも、簡単に樹脂成型を体験することができます。
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樹脂の取り扱いを熟知した学生インストラクターが各作業テーブルについてレクチャーを行います。
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テーブルの上には、事前に計量されたA剤(青色に着色済)とB剤の入ったカップが1人分ずつ用意されています。今回使用したホビーキャストは液状です。A剤・B剤の2液を混ぜ合わせると化学変化で100℃以上に発熱しながら固体化する性質をもっています。インストラクターのレクチャーでは、失敗しないためのコツもご紹介(くわしくはこちら)。20秒間で2液をムラのないようにしっかり混ぜます。
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スピーディーな作業が必要なため、インストラクターの合図に合わせて参加者は一斉に型へ樹脂を流し入れます。
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液体から固体に変わる硬化(こうか)が始まると、樹脂が白っぽくなります。樹脂の色の変化に興味津々です!
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硬化が完了するまでの15分間、こちらのテーブルでは質疑応答タイムになりました!樹脂のことから学校生活についてなど、様々な話題が飛び交っていました。
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別のテーブルでは各自の紙コップに余っていた樹脂を取り出しています。硬化したての樹脂は温かく、柔らかい状態なので指で押すと形が変わります。
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ではいよいよシリコン型を開いてみます!型を開くと綺麗に注入されているのがわかります!
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リングを取り出しやすくする方法として、型をぐにゃぐにゃと曲げると型とリングの間に隙間が空き、取り出しやすくなります。
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取り出したリングについている余分な箇所をニッパーで切り落とせばできあがり!完成したリングはお持ち帰りが可能です。
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今年のワークショップもお子様から大人の方まで幅広い年代の方々に体験していただきました。
今回参加できなかった皆さんは、また来年参加してみてくださいね!

26 8月 

9月休館日のお知らせ

Posted by CMTEL  |  2016/08/26 13:39

9月の休館日をお知らせします。

土曜:3、10、17、24日

日曜:4、11、18、25日

祝日:22日(木)秋分の日

9月は5日(月)より通常通り開館いたします。
なお、9月19日敬老の日は授業調整日(平常授業)のため、開館いたします。
新しい素材も加わっていますので、後期も是非CMTELをご活用ください!

04 8月 

2016年7月16日と17日のオープンキャンパスにて、メディアセンター2階で「素材体験!CMTEL MATERIAL FACTORY」というイベントを開催。デザインやアートの現場で使用される色々な素材を、見て、触れて、遊んで、体感することができます。「実演+体験」ブースと「マテリアル展示」ブース、ワークショップ「マテリアル・ネックレスを作ろう!」の3つのイベントに沢山の方々がご参加くださいました。
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●実演・体験
建物入り口手前のテラスでは、100%自然素材で作られた「漆喰(しっくい)」の壁塗り体験ブースがあります。

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「しっくい」
とは、城壁や住宅の壁などに使われる消石灰を主成分とした建材です。湿度を調整するはたらきを持ち、燃えにくく、消臭効果もあります。道具は左官職人も使用するコテを使用。コテ使いの微妙な変化でさまざまな模様を生み出すコツや、道具の使い方を紹介しました。
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しっくいという言葉は聞いたことがあっても、触れる機会の無い素材に多くの方がチャレンジ。「塗ったことないんですが…」と言っていた方でも、ひとたび塗り始めるとあっという間に大きな板を塗りきってしまいます。コテ越しに伝わるシャリシャリとした漆喰のなめらかな塗り心地に、思わず夢中に。広い面積をもっと塗ってみたいと自然と思わせてくれる、不思議な魅力をもった建材です。
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今回使用したのは少量パッケージ(800g)のチューブタイプ本格漆喰。DIY感覚でかなり気軽に挑戦できます。つなぎに使われているのは、化学的な接着剤ではなく自然の海藻のりです。自然素材100%でできていて、身体にも優しい建材です。
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●マテリアル展示
建物の中では、もの作りのプロが現場で使っている材料や加工技術を展示。様々な素材に触れたり、加工技術を間近で見たり、一部それを体験できます。
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それでは展示の内容を紹介します。

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ノミや彫刻刀で削ることが可能で、彫刻や試作モデルのための材料「ケミカルウッド」。Chemical Wood(化学的な木)という名のとおり、木材の代わりとして樹脂を使って人工的に作られた素材です。ケミカルウッドができる前までは、もともと天然木が多く使われてきました。しかし天然木には木目や節があり、加工の方向を間違えると木目に沿って割れたり欠けたりしてしまいます。そういった点をクリアしつつも、木材のような加工のしやすさを併せ持つのがケミカルウッドです。
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色の違いは、硬さの違いを表しています。削り出した後、表面に色を塗ることも可能です。フィギュアなどの作成時で、図面やモニター上の3Dデータだけでは実際の立体感をイメージできません。形の検証用素材として使われています。
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こちらは削れるプラスチック「サイコウッド」。一つ前で紹介したケミカルウッドと同じく樹脂をベースにした素材ですが、手で加工するのではなく専用の工作機械を用いて削るのに向いています。細かな形状の削り出しも可能なため、用途は主に精密なマスターモデルなどの作成です。
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硬さ別に3つの種類があります。樹脂と一緒に混ぜられている材料と密度でサイコウッドの硬さは調整されています。一番左の茶色のレギュラータイプ(硬さ:中)には木の粉が混ぜられています。中央緑色のソフトタイプ(硬さ:柔らかい)は木の粉を混ぜさらに微発泡させたもの。微細な気泡を含み、他の2種類よりも軽量です。右の赤茶色のものはハードタイプ(硬さ:かたい)、石の粉が混ぜられています。DSC_0126

均一で高密度な材質なので、細かくシャープな造形でもエッジが欠けません
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こちらは「レーザー彫刻機」です。その名のとおり、レーザー光線を用いて材料の表面に文字や絵を彫刻できます。大きさはトースターを2台積み上げた程度でかなりコンパクト
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今回は参加者が描いたイラストをスキャンし、サイコウッドに彫刻する加工も行いました。
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材料を庫内に置き、データを送信するとレーザーが照射されます。自分の描いたイラストがレーザー光線で浮き出てくる様子には自然と見入ってしまいます。
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レーザー加工機は、従来の刃物を使用した彫刻機や切削器具とは異なり、加工部品(刃)が材料と接触しません。そのためレーザー加工は材料に圧力や摩擦による負荷がかからないというメリットがあります。例えば圧力をかけると壊れてしまうような精密機器(スマホやタブレット等)の表面に、直にロゴや名前を入れることができるのです。また、マシン本体も密閉された設計なので、使う人への安全性が高いのも長所の一つです。


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こちらでは「電解マーキング」の展示と加工を行いました。“10秒でできる金属加工です!”というキャッチーなフレーズに、多くの方が足を止めて加工にトライしていました。
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電解マーキングとは電解液を塗った金属に低電流を流すことで、塗った部分に腐食という化学変化を起こす表面加工方法。腐食の起きた部分は変色をおこすので、図案を施すことができます。今回はマテリアル・ファクトリーのロゴマークの型紙を使用。ロゴ部分は細かいメッシュ状になっています。電解液を型紙の上からのせると図案部分だけに電解液を塗ることができます。
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“10秒”というだけに、あっという間にロゴマークが浮き出ます。普段なかなか身近に接することのない金属加工だけに、自分でできると感激です。
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こちらは「粉体塗料」の展示と加工を行っています。塗料といえば “液体状で、スプレー缶やハケで塗るもの” というイメージが一般的です。“粉” 状の塗料とはいったいどういうものなのでしょうか…?

あまり知られていない粉体塗料ですが、実はとても身近なところで使われている塗料。ガードレールや自動車部品など、屋外で雨風にさらされたり耐久性が求められる製品に使われる、工業塗装分野ではかなりメジャーな塗料です。
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こちらは作業台内部です。金属パーツの上に茶こしで粉体塗料をさらさらと振りかけます。触ってみると粒子が細かく片栗粉のようです。シンナーを含まないので、においはありません。
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粉をかけた後は180℃で焼き付け。塗料の中に含まれる樹脂を、加熱することで溶かして固めます。そしてこの作業、なんと家庭用オーブンを使って約30分で行うことが可能。下の画像では電解マーキングの上から塗料をのせてみました。クリアカラーなので下の図案が透けて見えます。塗料の膜をぽってりと厚くすることができるのも特徴です。
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●ワークショップ「マテリアル・ネックレスを作ろう!」
展示している素材のパーツを組み合わせてネックレスをつくるワークショップです。
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まずは受付でネックレスに使用するヒモを選びます。7色の中から好きな色を選びます。
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次に、展示されているマテリアルの中から好きな素材を選びます。以下のパーツはマテリアル展示でご協力いただいている企業様からのご提供です。
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ご提供パーツ以外に、今回CMTELが準備したパーツはこの2種類。
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まず1つ目は「スエード調人工皮革」を使ったシンメトリーパーツです。一見すると幾何図形にしか見えませんが、上下を折り曲げるとアルファベットになります。折り曲げてできた輪にひもを通し、イニシャルを作ることができます。極細の繊維がフェルト状にからまった構造で、切りっぱなしでもほつれない布です。
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2つ目は「3Dプリンタ造形端材」。これは3Dプリントする時に、造形を安定して行うために作られる「ラフト」という土台です。プリントしたい本体データを出力する前に作られ、完成したら手で本体から取り外すことができます。3Dプリンター自身が計算して作るものなのですが、意図しない造形美があります。
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以上のパーツの中から好きなパーツを選んでいきます。
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こちらでは紙やすりを使用して素材を削ることができます。
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みなさん黙々とやすっています。中には30分以上ここで熱中する方も。パーツの角を削って丸くしたり、表面をツルツルに磨き上げたり。素材と向き合うことの楽しさを満喫している様子でした。
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テーブルの上には、素材を加工する道具があります。自由に素材を加工してオリジナルのネックレスのパーツを制作していきます。
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加工ブースでは素材に穴を開けたり、文字を打刻することができます。
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最後に加工したパーツをヒモに通して完成。
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皆さん普段あまり馴染みのない素材や加工が多く、創作意欲をかきたてられ熱中してくださった方々も多く見受けられました。ものづくりのプロが現場で使用している素材の実物に、触れることができたとてもいい機会だったのではないかと思います。

「CMTEL MATERIAL FACTORY」は以下のサポート企業の方々にご協力いただき開催しました。
株式会社シノダ
株式会社ソニックス
株式会社ミナロ
メタルDIY  株式会社関東精密
LOHAS WALL
株式会社三王

 

03 8月 

こんにちは。6月15日(水)、16日(木)で樹脂成型による多摩美リングのワークショップを行いました。
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1回定員30名の予約制で参加者を募集し、2日間で計6回開催。毎年恒例のこのワークショップは、学生に「樹脂の基本的な特徴や扱い方を学ぶこと」「樹脂を身近な素材として知り、制作に活かすこと」を目的としています。今回のブログでは当日の様子にあわせて、樹脂成型で失敗しないための3つのポイントをご紹介

●講義「樹脂の性質と扱い方」
まず初めに講義を受けます。樹脂についての予備知識を頭に入れます。
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●実験「ウレタン樹脂に水を混ぜてみる」
ウレタン樹脂にわざと水を入れ、攪拌(かくはん)します。攪拌から数十秒後、ぶくぶくと気体を出しながら発泡し固まりました。驚きの変化に学生達の目が釘付けです。
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下の画像の左側は正常に硬化(こうか)したもの、一方右側は水を加えたものです。左は表面がつるつるとした塊になっているのに対して、右は穴だらけでスポンジのようです。
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これが1つ目のポイントです。今回扱うウレタン樹脂の特徴の1つに、湿気水分の影響を受けやすいという点があります。水分が混ざった樹脂は正常に硬化せず、気泡のある硬化物になってしまいます。このように正常に硬化しないことを “硬化不良(こうかふりょう)” といいます。わずかな湿気でも気泡の原因になるため、作業する日の天候にも注意が必要です。雨天のような多湿時を避け湿度の低い日を選ぶことをおすすめします。

実験のあとは、スタッフのいる各テーブルに移りいよいよ実習です。
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●実習「樹脂を使ってみよう」
1.型の準備
今回CMTELが用意したシリコン型は2つに分割できる “割型”(わりがた) という形状をしています。シリコン型の内側のゴミやカスを取り除いてから、離型剤(りけいざい)スプレーを散布。離型剤とは、樹脂と型の固着を防ぎ、型から硬化物をスムーズに取り出すための潤滑剤(じゅんかつざい)の役割を果たすものです。DSC_0872

スプレーの散布後、ガムテープを型の周りに巻きます。そうすることで型がしっかり固定され、樹脂を流し込んだ際に割型のすき間から漏れ出てしまうことを防ぐことができます。これでシリコン型の準備は完了です。
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2.計量
ここからが2つ目のポイントです。樹脂を扱う上で重要な計量。今回使用するウレタン樹脂は2種類の液体(主剤・硬化剤)を混合すると、発熱しながら硬化する2液性の樹脂です。混合する比率は各種樹脂によって異なりますが、今回は1:1なので2液共に同じ分量を0.1g単位で厳密に計っていきます。

硬化剤(こうかざい)は樹脂の硬化を早めたり、固まらせる働きをします。だからといって、硬化剤を多く入れれば硬化のスピードが促進される訳ではありません。樹脂の種類によって既定の混合比を必ず守り計量しましょう。
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3.撹拌(かくはん)
ここからは時間を意識しながら作業をします。主剤の中に硬化剤を入れ撹拌棒で約20秒かき混ぜます。2つの樹脂を混ぜ合わせた瞬間から、硬化が始まるまでの時間は約90秒です。ここが3つ目のポイント混ぜ方のコツは、ムラがないように大きく “の” の字を書くように素早く混ぜ合わせることです。攪拌を十分に行わないと化学反応が起こらない箇所が存在して、部分的に固まらない表面がベタベタするといった硬化不良の原因に。
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4.注入
撹拌が終わったらシリコン型に素早く注ぎ入れていきます。
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20秒を過ぎても注がないままにしていると硬化がどんどん進み、注ぎ終わる前にこんなことに…。また、硬化が進むことで粘度が高くなると、樹脂に含まれたままの空気が抜けきれず気泡が多くなる原因にもなります。スピーディーな作業が必要ですね。
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注型が完了しました。後は10〜15分程硬化を待ちます。硬化が始まると、画像左側のように色が白っぽく変化していきます。
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硬化を待っている間にスタッフへ樹脂の質疑応答タイムが始まります。
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実際に樹脂を使った作品やシリコン型を用いながら、制作プロセスを丁寧に解説します。
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5.脱型(だっけい)
硬化が完了したら、リングを取り出しやすくするために型をグネグネとひねらせ抜き取ります。シリコン製の型は伸びる性質を持っているため、手で形をゆがませることが可能です。
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6.完成
リング以外の余分な部分をニッパーで切りおとし、切断面をやすりで整えて完成です。
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最後

今回のワークショップは、学生にとって樹脂の特性や扱い方を体感しながら学ぶことのできた機会となったようです。毎年恒例のこのワークショップは来年度も開催予定。興味のある学生は是非一度ご参加ください。

今回ご協力いただいた日新レジン株式会社様では、今回使用したウレタン樹脂以外にも透明な封入用樹脂(クリスタルレジンNeo)や、グミのように柔らかい樹脂(グミーキャスト)、また樹脂専用の着色剤なども取り扱っています。
様々なサンプルをCMTELにも展示していますので、是非一度お越しになりご覧ください。

※このワークショップは、サポート企業・日新レジン株式会社様にご協力いただきました。
日新レジン ロゴ