梅津元先生のミニマル・アート講演会

あけましておめでとうございます。
本日は新年最初の授業日です。今年度の授業も残りわずかとなってきました。

第2回美術史設計ゼミ講演会(美術史設計ゼミ主催)が、2019年12月16日に開催されました。今回は梅津元先生(埼玉県立近代美術館 学芸主幹)を講師にお招きして、ミニマル・アートについてご講演いただきました。

梅津先生は日本におけるミニマル・アート研究の第一人者で、あの伝説的な1999年の「ドナルド・ジャッド 1960-1991」展(埼玉県立近代美術館、滋賀県立近代美術館)を手掛けられた方です。また、本学芸術学科の卒業生でもいらっしゃいます。

講演会は、第1部「講演:ミニマル・アート-モダニズムのハードエッジ」(梅津元)、第2部「対談:そのたびごとにリアルななにか」(梅津元×大島徹也)+質疑応答/全体ディスカッションという二部構成で行われました。


第1部の梅津先生によるご講演では、ジャッドの仕事を中心に、ミニマル・アートとは何かという根本的な問題からはじまって、個々の作品の具体的な見方や、米国テキサス州マーファのチナティ財団で梅津先生がなさったジャッド作品調査など、さまざまな重要なトピックを、たくさんの貴重な画像や動画を交えてお話しいただきました。


第2部の対談では、ジャッド/アンドレ/モリス/フレイヴィンという四人の主要なミニマル・アート作家の仕事の相違点からはじまって、ジャッドにおける「イリュージョン」やアンドレにおける「form(形体)‐structure(構造)‐place(場)」の問題、マイケル・フリードが指摘した「objecthood(物体性/客体性)」の問題などが掘り下げられました。そして、質疑応答/全体ディスカッションでは、聴講者の方々からの質問や意見を通じて、話題は抽象表現主義、エンヴァイラメント、ハプニング、ライト・アンド・スペースなどの動向との関係にまで広がりました。


大変に刺激的で充実した内容の講演会で、予定していた時間はあっという間に過ぎてしまいました。梅津元先生、どうもありがとうございました!