田波 奏平《オノマトペ》

 一種の事典として、186頁分ものオノマトペがまとめられた。無数の漫画から採られ、図鑑というより標本として、箱に収まっている。画に臨場感を齎す音の表現が、しかしここでは、生捕りに近く並べられると思えてくるから不思議である。
 ある頁では、擬容語が虫のように這い出す。ある頁では、空白に叫声だけが木霊する。ドアの音にはっとした後、不敵な笑い声は響き、乾いた咳に耳を澄ますと、唸り声の威嚇を前にするのである。八つの項に分れている。各々に質を変えた紙の上へ、著者はどんな網で、殺さずに採取したのか。[K. Miyaura]