@tnzwrk《am 3:29》

 日一日の断片が束と積もり、小さな箱に収まった。《am3:29》は、「わたし」の眠る時間。真夜中、というには一日が巡りはじめるそのうちで、著者の日が閉じる。小さな世界を点綴する縁に、新型ウイルスの影ものぞいた。「わたし」は、部屋にいることが多くなった。シーツを洗い、料理をし、恋人、バイト、人生について考える。「いつだって海には行きたい」。
 あるいは雪片のように、文字が降る。日記の束は綴じられず、透明な小箱から舞うか。それすら再び、積もるものか。また、夜明け前。明け初めを前に、断片は降る。静かに、世界に堆積する。[K. Miyaura]