内山晴臣とは、特定の個人を示す筆名や雅号、異名ではない。そこではある継続のうちに、ひとつの個が、振舞われる。数々の物品を異なる場所へ運び再使用する『REUSE』、摂取した食品が映えるように撮られた『FOOD WASTE』 、どちらも廃されたものの膨大な記録である。ただ繰返されているように見える行為は、ものの位置を、もとの場所からずらすことに終始する。手の届く距離からの、再配置という徒労。一種の時間稼ぎだが、これは時間的なものへの、必敗の攻勢である。あるいは振舞いは、積み重ねることで、ものの側へ与する。揚句には、人間の側から遠ざかり、その後ろ姿を見送ろうとでもいうように。[Y. Noguchi]