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報恩講のお斎(おとき)には、二つのお膳が用意されます。
お椀のふたを開けた様子です。 一の膳は6品。 手前真ん中から時計回りに、なめこの柚子おろし。むかごご飯。 小豆と南瓜のいとこ煮。煮しめ(牛蒡、煤竹、人参、ぜんまい)の上にのった五箇山豆腐。 ずんだの大根あえ。そして真ん中の高槻が、そうめん瓜とふきの煮物に胡桃。
二の膳は7品。 手前右のお椀があつもの五種(湯葉、椎茸、お麩、卵など)。 その上の皿には右からりんご。南瓜の煮物。蕎麦生地にハムとアスパラを巻いた蒸しもの。 ジャガイモ。ゆべし。左端にとち餅があります。
このほか、大皿とお重に詰められた蕪の梅酢漬けと煤竹の煮物、そして 呉汁(漉す前の豆乳に塩で味付けしたもの)、手打ち蕎麦、地酒が振舞われました。 法会の精進料理なので、肉魚はなく、動物性たんぱく質は卵くらいでした。
食べきれない量ですが、それは皆了解済み。 数やお品書きに決まりはないものの、多いことが常なのだとか。 親鸞の好物の小豆は必ずそえられます。 お椀からはみ出すほどの五箇山豆腐はお決まりで、「はみ出すほど大きいことが大事」と言います。 残す人にはあらかじめ容器が用意され、料理を詰めて持ち帰り、家族で頂きます。
一年に一度の特別な食事には、珍しい食材を奮発して用意したり、 普段は食べられない料理を連想しがちですが、このお膳には変わったものは見当たりません。 「よその土地から取り寄せる食材はあるのですか?」と質問したところ、 やはり、それはないですねえ、という答えがとても自然に返ってきました。
「自然の徳と土地の実りに感謝する食事ですから、自ずと土地のものになるのでしょうね。 おかずに使った食材は、この土地で作られたり、裏山で採ってきたものに手を加えたものばかりです。 呉汁の大豆はもともとすり鉢ですり潰して作りますが、今はフード・プロセッサーを使います。」
土地の実りを大切に頂くことこそ贅沢なのだと、当時の人達は考えていたのかも知れませんね、 と料理を作った方は話すのでした。
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報恩講のお斎(おとき)には、二つのお膳が用意されます。
お椀のふたを開けた様子です。 一の膳は6品。 手前真ん中から時計回りに、なめこの柚子おろし。むかごご飯。 小豆と南瓜のいとこ煮。煮しめ(牛蒡、煤竹、人参、ぜんまい)の上にのった五箇山豆腐。 ずんだの大根あえ。そして真ん中の高槻が、そうめん瓜とふきの煮物に胡桃。
二の膳は7品。 手前右のお椀があつもの五種(湯葉、椎茸、お麩、卵など)。 その上の皿には右からりんご。南瓜の煮物。蕎麦生地にハムとアスパラを巻いた蒸しもの。 ジャガイモ。ゆべし。左端にとち餅があります。
このほか、大皿とお重に詰められた蕪の梅酢漬けと煤竹の煮物、そして 呉汁(漉す前の豆乳に塩で味付けしたもの)、手打ち蕎麦、地酒が振舞われました。 法会の精進料理なので、肉魚はなく、動物性たんぱく質は卵くらいでした。
食べきれない量ですが、それは皆了解済み。 数やお品書きに決まりはないものの、多いことが常なのだとか。 親鸞の好物の小豆は必ずそえられます。 お椀からはみ出すほどの五箇山豆腐はお決まりで、「はみ出すほど大きいことが大事」と言います。 残す人にはあらかじめ容器が用意され、料理を詰めて持ち帰り、家族で頂きます。
一年に一度の特別な食事には、珍しい食材を奮発して用意したり、 普段は食べられない料理を連想しがちですが、このお膳には変わったものは見当たりません。 「よその土地から取り寄せる食材はあるのですか?」と質問したところ、 やはり、それはないですねえ、という答えがとても自然に返ってきました。
「自然の徳と土地の実りに感謝する食事ですから、自ずと土地のものになるのでしょうね。 おかずに使った食材は、この土地で作られたり、裏山で採ってきたものに手を加えたものばかりです。 呉汁の大豆はもともとすり鉢ですり潰して作りますが、今はフード・プロセッサーを使います。」
土地の実りを大切に頂くことこそ贅沢なのだと、当時の人達は考えていたのかも知れませんね、 と料理を作った方は話すのでした。