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Mar 15, 2010

中沢新一解説 B.マリノフスキ著『西太平洋の遠洋航海者』

中沢所長による解説「クラと螺旋――新しい贈与経済のために」が収録されています。 ■『西太平洋の遠洋航海者』(講談社学術文庫) B.マリノフスキ著/増田義郎訳 2010年3月11日発行 定価1,418円 ■序文=J・フレイザー 解説=中沢新一

ソウラヴァ(首飾り)とムワリ(腕輪)をそれぞれ逆方向に贈与していく不思議な交易「クラ」。 「未開社会の経済人」は、浅ましい利得の動機に衝き動かされる存在なのか? 物々交換とは異なる原理がクラを駆動する。クラ交易は、魔術であり、芸術であり、人生の冒険なのだ。 人類学の金字塔が示唆する「贈与する人」の知恵を探求する。

クラはこの世界に見いだされるあらゆる「螺旋的なるもの」のなかで、もっとも強力で、 もっとも豊穣な富をもたらす存在である。(中略)クラは人間の心の中で作動している螺旋型をした 思考がつくりだすものとして、この世界でもっとも強力な魔術の一種なのである。 トロブリアンド諸島の人々が「なぜクラをするのか」という問いに対する、1つの答えがここにある。 ――(中沢新一)

ポスト @ 2010/03/15 14:35 | 中沢新一

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