前へ 次へ
2月19日、平出隆所員の詩集『胡桃の戦意のために』(日本語・英語バイリンガル版として2008年夏にNew Directions社刊、中保佐和子訳)が、2009 Best Translated Book Awardを受賞しました。
英語面側カバー 日本語面側カバー
Best Translated Book Awardは、米国のロチェスター大学における 国際的な文学交流促進のためのプロジェクトThree Percentが、 当該年に米国内で出版された翻訳作品のうちもっとも優れた原作と 判断したものを選定するユニークな賞です。
ところで、同詩集の詩篇25では、題名ともなった胡桃の木との出会いが、 次のように語られています。
汽車を降りると、出口は北へのひとつしかなかった。酒 屋と乾物屋と米屋くらいがくりかえし並ぶ印象の、線路 沿いの古くおとなしい商店街を抜け、つまりは長い駅舎 をぐるり南へと迂回した。案内の人をえてようやく、私 は憧れの木の前に立つことができるのだった。
実は、ここに登場する「案内の人」とは、若き日の中沢新一所長です。 これは約30年前の80年代初頭、平出所員が甲州の山ふところにある中沢家の 庭の胡桃の木の観察に出掛けた体験がもとになっているようなのです。
No Trackbacks
http://www2.tamabi.ac.jp/cgi-bin/iaa/trackback/tb.php?id=132(言及リンクのないトラックバックは無視されます)
詳細検索
2月19日、平出隆所員の詩集『胡桃の戦意のために』(日本語・英語バイリンガル版として2008年夏にNew Directions社刊、中保佐和子訳)が、2009 Best Translated Book Awardを受賞しました。
英語面側カバー 日本語面側カバー
Best Translated Book Awardは、米国のロチェスター大学における 国際的な文学交流促進のためのプロジェクトThree Percentが、 当該年に米国内で出版された翻訳作品のうちもっとも優れた原作と 判断したものを選定するユニークな賞です。
ところで、同詩集の詩篇25では、題名ともなった胡桃の木との出会いが、 次のように語られています。
汽車を降りると、出口は北へのひとつしかなかった。酒 屋と乾物屋と米屋くらいがくりかえし並ぶ印象の、線路 沿いの古くおとなしい商店街を抜け、つまりは長い駅舎 をぐるり南へと迂回した。案内の人をえてようやく、私 は憧れの木の前に立つことができるのだった。
実は、ここに登場する「案内の人」とは、若き日の中沢新一所長です。 これは約30年前の80年代初頭、平出所員が甲州の山ふところにある中沢家の 庭の胡桃の木の観察に出掛けた体験がもとになっているようなのです。